2022.08.25
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災害関連死を防ぐーエコノミークラス症候群ー
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”では、公式Youtubeチャンネルで「災害について学ぼう」シリーズを動画や記事で発信しており、これまで発災時の応急処置や防災、避難生活について幅広くお伝えしてきました。
今回は、JOURNAL #5「災害関連死を防ぐためのケア」(https://arrows.peace-winds.org/journal/20201202)で紹介した内容の一部をさらに詳しくお伝えします。
みなさんは「災害関連死」という言葉をご存知ですか?
災害関連死とは、地震や津波、台風などによって直接的に負傷し、死に至るのではなく、命は助かったが、慣れない避難所生活での暮らしや発災前より患っている病気の急激な悪化によって死に至ることを言います。
災害関連死は1995年に発生した阪神・淡路大震災を契機に注目されるようになり、2004年に発生した新潟県中越地震の際に車中で避難生活(車中泊)をする人が肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を発症し、死亡する事例が増えたことでその危険性が認識されるようになりました。
2016年4月に発生した熊本地震では、建物の下敷き等によって直接的な死亡は50名となっています。
しかし、避難生活におけるストレスや持病の悪化によって亡くなった間接的な死亡は217名となっており(2020年6月時点)、直接的な死亡の4倍以上の人が災害関連死で亡くなっていることが分かるかと思います。
発災直後の避難所の様子(令和2年7月豪雨)
では、災害から逃れた後、持病の悪化や病気を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか。
さきほど、災害関連死の事例として、肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)をあげました。
このエコノミークラス症候群は、よく飛行機に乗る方で聞いたことがあるのではないでしょうか。
最近では、新型コロナウイルス感染症になった際、車中泊や自宅療養により体を動かすことが減り、発生リスクが高くなっていることから注意喚起がされています。
避難所での生活や車中泊により、長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の深部にある静脈に血のかたまりができ、この血のかたまりの一部が血流にのって肺に流れることで肺の血管を閉塞し、主に片方の膝から下の脚に、発赤、腫脹、痛み等の症状が出現します。
このような症状が発生したら急いで医療機関を受診する必要があり、万が一足にできた血栓が肺に詰まると、胸痛、呼吸困難、失神等の症状が出現し、危険な状態になります。
肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を予防するためには以下の方法あります。
①長時間同じ(特に車中等での窮屈な)姿勢を避けましょう。
②足の運動をしましょう。
(例)•足や足の指をこまめに動かす。
•1時間に1度は、かかとの上下運動(20―30回程度)をする。
•歩く(3-5分程度)。
③適度な水分を取りましょう。
引用:厚労省「被災地での健康を守るため」
避難所での生活は身体的・精神的にとても負担になってしまいます。
気付かないうちに、持病が悪化したり、病気になってしまわないよう予防方法を知り、ご自身や周りの方々の健康を守りましょう。。
ぜひ、周りの方にも共有し、ご自身や周りの方々ととも実践してみましょう。
◆Yogibo Social Good:https://bit.ly/3nyVefb
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