JOURNAL #3892025.01.07更新日:2025.01.06
2024年12月15日にサイクロン「チド」がモザンビーク北部に上陸し、猛威を振るいました。空飛ぶ捜索医療団を運営するピースウィンズが拠点を置いているカーボデルガード州の一部では、被災状況100%という想像を絶する被害が報告されています。
ピースウィンズのシウレ現地事務所も被災し、コンパウンドの外壁が崩落。いまだ電気が復旧していませんが、日本人スタッフも被災地のペンバに入り、現地スタッフと協力して緊急災害支援調査を開始しています。
ピースウィンズが現地の被災状況を確認していると、地域の住民の人が「紹介したい赤ちゃんがいるから、見ていってくれ」と声をかけてきました。
以下は、ピースウィンズのモザンビーク事業責任者である岩野が現地で遭遇した小さな命のお話です。
サイクロン上陸の日、雨風がどんどんひどくなり、家々の屋根が飛んだり、木々が倒れたり、家屋の倒壊が始まっていました。そんな中、被災村に住むある女性の陣痛が始まりました。陣痛は強くなる一方ですが、外は危険で病院に行くことはできませんでした。
彼女の家の屋根も、陣痛が始まる少し前に飛んでいってしまっていました。屋根をどうにかする気持ちも折れたそんな時にお腹の赤ちゃんから「今生まれたいんだ!」というメッセージを感じたといいます。彼女が安全に出産をできるように地域の人びとが協力してスペースを作り、女性たちが彼女の出産をサポートしました。周りの人々のサポートもあり、なんとか屋根のない家で無事に男の子を出産することができました。
無事に生まれた赤ちゃんは、同時に上陸したサイクロンと同じ名前のChido(チド)と名付けられました。
翌日に病院へ赤ちゃんを連れて行きましたが、病院も被災しており、病院には誰もいなかったと言います。翌々日に再び病院へ行き、ようやくチドちゃんへの最低限の処置が行われました。しかし、医療者の人たちも被災しているなかでの病院では、対応可能な人も限られており、お母さんはチドちゃんが何グラムで生まれたかも分からないそうです。
チドちゃんのおばあさんは、出産がどれだけ大変な状況だったか語り、チドちゃんを「奇跡の男の子」と呼んでいました。
チドちゃんの家族は今も、被災したまま、屋根のない家で暮らしています。サイクロンによる影響により停電も続いており、水も満足に使えない状況です。
大変なときに生まれたチドちゃんですが、地域のみんなに温かく迎え入れられました。
彼女やチドちゃん、そしてみんなが安心して暮らせる日常を早く取り戻せるように空飛ぶ捜索医療団とピースウィンズ国際人道支援事業は一丸となって、これからも支援を続けていきます。
被災地に、皆様の温かいご支援をお願いいたします。
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