JOURNAL #5162026.01.27更新日:2026.01.28

震度とマグニチュードの違いとは?|地震情報を正しく理解するための基礎知識

広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

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地震速報で必ず目にするのが「マグニチュード」と「震度」です。言葉は知っていても、その違いをきちんと説明できる人は少ないかもしれません。

この記事では、それぞれの数値が何を示しているのか、その違いや特徴を分かりやすく解説します。地震の規模と揺れの強さを理解し、日ごろの備えや安全確保に役立てましょう。

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まずはここを押さえよう!マグニチュードと震度の違い

地震情報を見る際、「マグニチュード」と「震度」の違いが分かりにくいことがあります。どちらも地震の大きさを示すものですが、意味はまったく異なります。

まず、両者の違いをまとめました。

項目マグニチュード震度
何を表すか地震で放出されるエネルギーの大きさ観測地点での揺れの程度
決まり方1つの地震につき原則1つ観測地点ごとに異なる
影響する要素断層のずれの大きさ・広がり震源距離・深さ・地盤・地形など
主な役割地震の規模評価・記録被害の大きさや行動判断の目安
ニュースでの表現例マグニチュード7.7(最大)震度6弱

この違いをひとことでまとめると、

  • マグニチュード=地震そのものの大きさ
  • 震度=ある場所での揺れの強さ

という関係になります。

マグニチュードは「地震に1つ」、震度は「場所ごと」

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出典:YAHOO JAPAN!天気・災害|地震情報(※2025年12月8日青森県東方沖地震)

マグニチュードは、地下の断層のずれの大きさから算出されるため、1回の地震につき原則として1つの数値が記録されます。一方、震度は各地の観測点で記録された揺れから計算されるため、場所によって異なります。ニュースで「最大震度6弱」と報道されるのは、最も強い揺れを記録した地点の震度です。

被害と関係が深いのは「震度」

建物の倒壊や家具の転倒、人が行動できるかどうかなど、実際の被害と関係が深いのは震度です。

マグニチュードは地震の規模を表し、数値が大きいほど広い範囲に影響を与える可能性があります。しかし、震源からの距離や地盤などにより、同じ規模の地震でも揺れの強さは変わります。

遠い海外で起きた巨大地震で、マグニチュードが大きくても日本でほとんど揺れを感じないのはそのためです。逆に、規模が小さくても、震源が浅く地盤が弱い場所では強い揺れとなり、大きな被害が出ることがあります。

マグニチュードは「どれだけ大きな地震か」、震度は「その影響がどれだけ現れたか」を示す指標だと考えると、違いが理解しやすいでしょう。

次の章では、マグニチュードについて詳しく見ていきます。

マグニチュードとは何か

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マグニチュードは、地震が起きた場所で放出されたエネルギーの大きさを数値で表したものです。地震は地下の断層が動くことで発生し、そのずれの大きさなどからマグニチュードが計算されます。

原則として、1つの地震に対し数値は1つです。ただし、発生直後はデータが少ないため速報値が発表され、その後、解析によって更新されることがあります。専門家の間では「地震の規模」というより、「震源の規模(震源で起きた断層のずれの大きさ)」と考えるほうが適切だという意見もあります。

数字が1違うだけでエネルギーは約32倍

マグニチュードは単純な足し算の尺度ではありません。数値が1つ大きくなるごとに、放出されるエネルギーは約32倍になります。

例えば、マグニチュード8の地震は、マグニチュード6の地震と比べて約1000倍ものエネルギーを持っています。数字の差は小さく見えても、地震の規模は桁違いに大きくなるのが特徴です。

一般に「大地震」はマグニチュード7以上、「巨大地震」はマグニチュード8クラス以上とされます。わずかな数字の違いでも規模が大きく変わるため、マグニチュードの差はとても重要です。

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マグニチュードには種類がある|MjとMwの役割の違い

マグニチュードは地震の規模を表す指標ですが、長さや重さのように物理的な量を直接測るわけではありません。そのため、観測データの種類や計算方法の違いによって、これまでに多くの算出手法が考案されてきました。日本では、主に気象庁マグニチュード(Mj)とモーメントマグニチュード(Mw)の2種類が使われています。

項目気象庁マグニチュード(Mj)※jは気象庁(Japan Meteorological Agency)の頭文字モーメントマグニチュード(Mw)※wは物理学用語work(仕事:力×距離)に基づく
使用データ地震計で観測した地面の動き(速さ・位置変化)の最大の揺れ幅を用いる(なお最大振幅は、全体の揺れ幅の半分の値)長周期を含む地震波全体を観測できる地震計で記録した波形
計算法観測された揺れの大きさをもとに、距離による弱まりを考慮して計算地震断層解析法により、断層の位置・ずれ方・規模などを同時に推定
長所・地震波形の振幅から短時間で算出できる
・約100年間ほぼ同一手法で算出されており過去地震と比較しやすい
・断層の面積とずれ量に基づくため物理的意味が明確
短所・経験式に基づくため物理的意味がやや曖昧
・M8を超える巨大地震では規模を正しく表せない場合がある
・地震波形全体の詳しい解析が必要なため即時算出が困難
・小規模地震では精度よく求めにくい
使用場面・地震発生後数分以内の速報
・津波警報など第1報の判断・過去と現在の地震活動の比較評価
・津波警報更新時の判断
・巨大地震の規模評価
・巨大地震想定震源域への影響判断
参照:気象庁|地震情報等に用いるマグニチュードについて

現在、ニュースではMjやMwといった細かい表記ではなく、マグニチュード(M)と表示されることが一般的です。さらに観測網や算出方法の違いにより、国や研究機関が発表する数値が少し異なることもありますが考え方は共通しているため、地震の規模の目安としての意味に大きな違いはありません。

マグニチュードの数値が更新される理由

地震発生直後は、データが不足しているため、まず「速報値」が発表されます。その後、観測データが増えるにつれて解析が進み、マグニチュードの数値が更新されていきます。

実際に、2011年3月11日の東日本大震災では、以下のように数値が見直されました。

速報値:Mj7.9
16:00:Mj8.4
17:30:Mw8.8
最終評価(3月13日):Mw9.0

これは、最初の発表が間違っていたわけではありません。限られたデータから推定した値が、データ増加と解析精度の向上により、より正確になった結果です。

地震波は震源に近い観測点から順に到達するため、気象庁では以下の流れで評価が行われます。

①地震直後に速報値を発表
②観測データが増え次第、暫定値に更新
③詳細解析を行い、最終的な評価を決定

巨大地震の場合、速報用の気象庁マグニチュード(Mj)では規模を正確に表せないことがあります。そのため、最終的には断層のずれの大きさをもとに計算するモーメントマグニチュード(Mw)が代表的な数値として用いられます。

震度とは何か

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震度とは、地震が起きたときに、ある場所でどれくらい強く揺れたかを表す指標です。建物の被害や人の行動への影響と関係が深く、避難の判断や防災対応に関わる重要な情報です。

日本では全国の地震計で自動的に観測され、地震発生直後に速報として発表されます。

日本の震度階級のしくみ

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最大震度7(マグニチュード7.6)を記録した令和6年能登半島地震(2024年1月3日珠洲市内にて)

日本の震度は0から7までの10段階で表されます。そのなかでも震度5と6はそれぞれ「弱」「強」に分かれています。この「5弱・5強」「6弱・6強」という区分は、阪神・淡路大震災の被害調査をもとに導入されました。同じ「震度5」でも被害の幅が大きかったため、状況を詳しく伝える必要があったためです。なお、海外ではMM震度階(12段階)など、別の基準が使われることもありますが、日本では以下の気象庁震度階級が統一基準として使われています。

震度人の体感・行動屋内の状況屋外の状況
0人は揺れを感じないが、地震計には記録される。
1屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。
2屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。
3屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。棚にある食器類が音を立てることがある。電線が少し揺れる。
4ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。
5弱大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。
5強大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。
6弱立っていることが困難になる。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
6強立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
7固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。
出典:気象庁|気象庁震度階級関連解説表

震度7は人や建物にとって最も危険な揺れを示す数値で、これ以上の階級はありません。「立っていられず揺れに巻き込まれる」ほどの強さで、防災対応の基準としても最大級です。

震度が場所ごとに違う理由

同じ地震でも、場所によって震度が異なることはめずらしくありません。これは、揺れの強さが以下の要素に左右されるためです。

■ 震源からの距離と深さ

震源に近いほど揺れは強くなる傾向があります。ただし、震源が深い場合は、震源から少し離れた地域のほうが強く揺れることもあります。

■地盤の性質

固い岩盤の地域よりも、川沿いや埋立地などのやわらかい地盤では揺れが増幅されやすく、震度が1階級ほど大きくなる場合もあります。

■建物の構造や高さ

同じ場所でも、耐震性能や構造の違い、階数によって体感の揺れは変わります。特に中高層マンションでは、上の階ほど揺れが大きく感じられることが多くあります。

このような理由から、隣の市町村でも震度が異なったり、同じ建物の中でも階によって揺れの感じ方が変わったりするのです。

【関連記事】「長周期地震動」とは?鳥取・島根地震から学ぶ防災対策

防災の視点から見た「震度」の重要性

震度は、実際の被害の大きさや「その瞬間に取るべき行動 を判断するうえでとても大切な指標です。特に震度6以上では自分の力で立つのが難しくなり、家具の転倒や建物被害が急激に増えます。つまり、震度の数値は「どれくらい命の危険が高まるか」を判断するための重要な目安でもあるのです。

地震に備えるためには、避難や安全の確認方法を整えておくことが大切です。具体的には、次のような準備が挙げられます。

  • 家具や家電の固定(転倒・落下防止)
  • 寝室や勉強部屋等に安全スペースを確保
  • 家の耐震性や免震対策の確認、必要に応じた耐震化
  • 消火器・消火設備の設置と使用方法のチェック
  • 非常口や避難経路、集合場所の事前確認
  • 家族との連絡方法や集合ルールの共有

これらは地震が起きてからでは間に合いません。いくら防災グッズや備蓄品を完璧に整えていても、まず自分の身を守れなければ、その後の生活や行動に生かすことはできません。どの震度でどんな危険が起こるかを知り、身を守る行動を普段から意識することが大切です。こうした備えがあれば、いざというときにも落ち着いて行動でき、命を守ることにつながります。

【関連記事】地震に備える| 震災からあなたと家族を守るために今すぐできる対策、地震発生時の行動を解説

マグニチュードと震度に関するよくある質問

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ここまでマグニチュードと震度、その違いについて解説してきました。最後に、体感と震度の違いや、南海トラフ巨大地震の想定、世界の巨大地震事例など、知っておきたいポイントを整理します。

発表された震度が、体で感じた揺れと違うのはなぜですか?

気象庁が発表する震度は、全国約4,400地点に設置された震度計の観測データにもとづいています。そのため、「自分がいた場所」と「震度計が設置されている地点」が必ずしも同じ条件とは限りません。

特に次のような場合、体感との差が出やすくなります。

  • 地盤が場所によって違う(やわらかい地盤ほど揺れが大きくなりやすい)
  • 高層階にいた(建物の上の階ほど揺れが増幅されやすい)
  • 建物の構造が揺れやすい(耐震性能や構造の違いで変わる)

震度計は主に地表付近に設置されているため、マンションの高層階では発表された震度より強く感じるケースもあります。震度は「ある地点の代表値」であり、完全にすべての場所の揺れをそのまま表しているわけではない、という点を理解しておきましょう。

【関連記事】「長周期地震動」とは?鳥取・島根地震から学ぶ防災対策

南海トラフ巨大地震で想定されるマグニチュードと震度は?

政府の最新想定(令和7年公表)では、南海トラフ巨大地震はマグニチュードM8~9クラスが想定されています。地震が発生した場合、静岡県から宮崎県にかけての一部地域では震度7、その周辺の広い範囲で震度6強〜6弱の非常に強い揺れが予想されています。

さらに、太平洋沿岸では10mを超える津波が想定される地域もあり、揺れと津波の両方への備えが必要です。発生確率は今後30年以内に80%とされており、日常的な防災対策が重要となっています(*)。

*参照)内閣府|南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会 地震モデル 報告書

世界でマグニチュード9クラスの地震は発生していますか?

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2011年3月11日の東日本大震災では、地震に伴う津波が遡上して市内をのみ込んでいった(画像提供:東北地方整備局震災伝承館

マグニチュード9クラスの巨大地震は、世界でも実際に発生しています。例えば、次のような大地震が記録されています。

  • 1960年チリ地震(M9.4〜9.6)
  • 1964年アラスカ地震(M9.2)
  • 2004年スマトラ島沖地震(M9.1〜9.3)
  • 2011年東日本大震災(M9.0)

これらの地震では、強い揺れだけでなく、大規模な津波やインフラ被害が発生しました。地震被害は「揺れの強さ」だけで決まるのではありません。津波、火災、地盤の液状化など、さまざまな被害が同時に起こることで、被害がさらに大きくなる場合があります。そのため、地震への備えでは、揺れ対策だけでなく、津波や二次災害への対策もあわせて考えることが大切です。

【関連記事】津波に備える|津波から命を守るために知っておくべき備えと避難行動~3.11の記憶と教訓~

まとめ:マグニチュードと震度を正しく理解して防災につなげよう

地震はいつ、どこで起こるかを正確に予測することはできません。しかし、マグニチュードや震度の意味、その違いを正しく知ることは、被害の大きさを想定し、取るべき行動を判断するための大切な土台になります。知識があるからこそ、「どんな備えが必要か」「揺れた瞬間に何を優先すべきか」を考えられるのです。

家具の固定や避難経路の確認、非常用品の準備など、理解と行動を結びつけることで、防災はより実践的なものになります。学んだ知識を生かし、命を守る備えにつなげていきましょう。

【参照】
気象庁|震度・マグニチュード・地震情報について
気象庁|地震について
気象庁|震度について
気象庁|地震情報等に用いるマグニチュードについて
気象庁|気象庁震度階級関連解説表
仙台管区気象台|震度とマグニチュード
防災科研|マグニチュードと震度
気象庁|【防災メモ】~異常震域について~

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広報:
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

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