JOURNAL #2552023.09.19更新日:2024.01.30

【モロッコ地震】痛感する「山間部支援」の難しさ

モロッコにいる現地支援チームは、山間部の被災地を中心にニーズ調査と物資支援を行っています。山間部への安全なアクセスの確保は、今回の被災地支援におけるネック。2日前に訪れた山間部の集落へ物資を持って再び訪問を試みるも、道中の崩落により引き返せざるを得ない状況にも遭遇しています。
 

 
すでに発災から1週間経過していますが、山間部では余震などをきっかけに今も土砂崩れが起きています。実際に現場に立ってよくわかるのは、非常に脆い岩とまったく保護されていない山肌。被災者の安全だけでなく、支援者側の安全確保という観点でも、最新の情報の収集と現場での安全確認を徹底することが求められます。
 

 
この日支援を届けたのは、そんな山中に位置するウズケリ村。村人およそ120人が17のテントに分かれて避難生活を行っています。
山の上から見ると、彼らの暮らす山間部の様子が伺えます。大きな被災地の1つでもある近隣の町アミズミズからさらに車で南下すること約1時間。このような150〜200名規模の集落が数km毎に点在しているのが、山間部被災地です。全員が1箇所に集まる、いわゆる日本人が想像するような避難所は開設されておらず、それぞれの被災者が自らの集落周辺に政府支給のテントを建てて避難生活を行っています。
 


 

 

 
今回ウズケリ村で上がったニーズは、ソーラーライト。元の集落から離れ、崖上に避難するウズケリ村の人々は、夜間、避難エリアに立てた2つのソーラーライトのみで生活しています。テント内の灯りはもちろん、不安定な岩場でお手洗いのために夜間に出歩く際は「足元が悪くて怖いんだ」と村の女性たちからは声が上がります。その日の内にソーラーライトを全テント分手配したチームが翌日村へ持っていくと、被災者の表情はとても明るくなりました。「助かるよ、本当にありがとう」と村人から笑顔で感謝されつつ、チームは村を後にしました。
 


 

 
発災から1週間経ち、マラケシュ/アミズミズ周辺では山間部にも水・食料・ブランケット・医療/衛生用品など、必要な物資は比較的届くようになってきました。今後、被災者への支援を “継続的に” 実施していくためには、現地をよく知る地元の団体等との連携が不可欠と我々は考えています。現地支援チームは提携できうる地元団体を巡りつつ、「今」だけでなく「この先」に続く支援事業の形成を目標に本日も活動しています。
 
空飛ぶ捜索医療団では、引き続きモロッコで被災された方々の支援を続けます。
皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
 

 
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