2020.10.15
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【ARROWSジャーナル #3】災害直後の避難所に必要な物資を届けるために―支援の「力」を最大化する連携
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災害発生当日から何百人もの人が、公民館や体育館、学校などで避難生活を送ることになります。
飲み物、食べ物はもちろんのこと、衣類、毛布や枕、歯ブラシや生理用品などありとあらゆるものが必要になります。
赤ちゃんにはミルクとおむつ、高齢者に配慮した物資、そしてコロナ禍においてはマスクや消毒液も必要です。携帯の電源充電、情報を得るためのテレビの設置、生活用水、十分な数のトイレの確保、そして体調が悪い方への医療サービスもすべて災害発生当日から必要です。
このような避難所への対応は、誰が担っているのでしょうか。
-多くのガイドラインをみると被災地の行政が中心となり地元住民が運営を行うということになっています。
2011年の東日本大震災。
私たちは発災翌日の3月12日に現地に入りました。避難所には多くの住民が、着の身着のままの格好で押し寄せ、避難所の入り口にはたくさんの「捜し人」の貼り紙があり、茫然としている人、家族との再会に安堵している人、お互いに励まし合っている人たちの姿がありました。
そして、役場は津波で流され、多くの方が亡くなり、災害対策本部としての機能が果たせない状況でした。行政の人たちもまた、被災者でした。
避難された人たちが生きていくために、また復旧・復興のために動き出すために避難所では多くの支援が必要です。私たち、支援を行う者は、時に避難所運営そのものを担うことも求められます。
東日本大震災では、災害発生当日から全国に支援を呼びかけ、Civic Force(現 空飛ぶ捜索医療団メンバー)だけでも、10万円以上の寄付をいただいた企業は280社にのぼりました。
多くの企業から、自社商品やサービスを提供することが支援につながるのであれば是非、協力したいとお申し出をいただき、物資等の協力いただいた企業の数は、災害発生から1年あまりで合計800社を超えました。
私たちは毎日、企業から提供される物資やご寄付で調達した支援物資を搭載した4トントラック10台を被災地に送りました。
お風呂の建設のために大工さんグループを派遣し、ボランティアを派遣する団体、外国人の支援、看護師や臨床心理士などの専門家を派遣する団体にもご支援させていただきました。
東日本大震災という未曾有の大災害で、全国からのたくさんの応援を受けて大規模な支援を行いながら、私たちの力だけでは、本当に必要な支援を必要なタイミングで被災地にお届けすることはできないと強く感じました。
2017年Yahoo!ジャパンとともに呼びかけを行い、災害時の物資支援のプラットフォーム「緊急災害対応アライアンス(SEMA)」が発足しました。現在55社と6団体が加盟し、災害発生時には現場にいるNPOの要請を受けて企業が物資やサービスを無償で提供するしくみが動いています。
近年、毎年のように災害が起こっています。来年の3月11日には東日本大震災から10年を迎えます。空飛ぶ捜索医療団は、志をもった多くの仲間たちとともに被災地に一日も早く支援を届けるしくみづくりを続けています。
文 根木佳織
アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(A-PADジャパン)事務局長、Civic Force代表理事、空飛ぶ捜索医療団副リーダー
A-PAD:https://a-padj.org/index.html
Ciciv Force:https://www.civic-force.org/
<おまけ>空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”豆知識 No.3
Q:なぜ民間の力が必要なの?
A:災害発生時、例えば自衛隊は基本的に、自治体からの要請に基づいて出動します。
従って例えば通信の寸断などにより、自治体がその災害に気付いてない場合は要請ができません。
また、避難所には指定避難所の他にも住民が自主的に避難した避難所もあります。しかしそういった避難所には自治体からの支援が遅れがちです。
民間の私たちは、独自の調査で今一番支援が必要な所に支援を実施します。
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