JOURNAL #4532025.07.18更新日:2025.07.18
広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
空飛ぶ捜索医療団は、先日災害連携協定を結んだ高知県などが主催する、大規模な総合防災訓練に参加しました。「防災訓練」というと一般的には避難経路の確認など自分や家族を守るための訓練になりますが、今回の訓練は、人々の命を助けるための訓練です。
今回は南海トラフ巨大地震や豪雨被害などあらゆる災害を想定し、県や市町村、民間支援団体などの機関から約150団体、医療救護エリアでは約230人が参加し、実際の災害現場でどのように動き、いかに命を救うかという総合的な防災対策の確立を図りました。
訓練では、DWAT(災害派遣福祉チーム)などと連携し避難所エリアを担当しました。避難所の状況を評価する「避難所アセスメント」を実施し、空飛ぶ捜索医療団の医療チームが医療コンテナを活用して医療支援が必要な被災者に医療処置を提供する訓練を行いました。
これにより、医療が必要な方はもちろん、高齢者や障がいを持つ方など、特別な配慮が必要な方々の支援ニーズを把握し、多職種で連携してどのように対応できるかが確認できました。
実際に災害が起きた際と同じように、予期せぬ課題に直面する場面もありました。
一つは、限られた人的・物的リソースの中で、複数の緊急性の高い患者さんが同時に発覚。一気に緊迫した空気が場を覆いました。
チームは受付でのトリアージ(治療の優先順位付け)や無線での情報共有、本部への要請・調整などを迅速に行い、比較的スムーズに患者さんを適切な場所へ搬送しました。
さらに今回の模擬患者さんのなかには、産科対応の事例がありました。医療コンテナ内での出産という、非常に緊急性の高い状況も想定に含まれ、産科経験のある空飛ぶ捜索医療団看護師が対応にあたりました。
適切な指示を出すことで無事に対応することができましたが、重症度の高い患者さんだけでなく、産科や小児など、幅広い分野に対応できる能力の重要性を再認識する機会となりました。
私たちのチーム体制には、普段はほかの病院などに務めていて、いざというときに空飛ぶ捜索医療団のメンバーとして共に被災地で支援活動を行う、ロスター(登録隊員)もいます。主催の訓練ではなく、外部機関の訓練に初めてロスターの医師も参加しました。
能登半島地震の際にも多くのロスターが自分がもつ専門分野を活かして災害緊急支援の現場を支えました。こういった訓練の参加でコミュニケーションを重ねることは、被災者の方に寄り添うチーム作りにも、非常に重要な要素です。
今後も、確かな準備と連携を築き、「一人でも多く」の命を救う力を強化していきます。
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空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
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