JOURNAL #4622025.08.19更新日:2025.08.19

【岩手県大船渡市 山火事】山林火災を乗り越えて。被災地の「なりわい再建」に寄り添う支援

広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

2025年2月26日に発生した大規模山林火災により、大船渡市外口地域では、21戸の住家が被災。さらに大切ななりわいの道具を収納していた倉庫など39戸が全壊・半壊の被害に遭いました。
地域の農家や漁師の方々は、生活となりわいの再建に向け全力で取り組んでいます。その活動をサポートするために、農家には火災で失った玉ねぎを保管する倉庫の代わりとなるテント3基や野菜コンテナ300個を、漁師にはウニのむき身作業場の代わりにテント11基を、それぞれ贈呈する運びとなりました。

発災直後、現場にいち早く駆け付けた空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援チームは、物資支援をはじめ、避難所の生活環境の改善や、看護師を中心とした健康相談など幅広く被災された方々を支えました。
現在も、カタチを変えて大船渡への支援を続けています。

大船渡でのこれまでの活動はこちらから

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公費解体が進んでいない外口の様子。収穫の終わった玉ねぎ畑と潮風を運ぶ海の距離が近いことがわかります。

地元に愛される”潮風玉ねぎ”が今年も食卓へ

赤崎町外口地域で生産される玉ねぎは”潮風玉ねぎ”とも称され、知る人ぞ知る地元で愛されている玉ねぎです。6月の収穫を無事に終え、お贈りしたテントを活用いただいて出荷前の保管を行いました。
この玉ねぎの甘みの秘訣は、収穫後に寝かせ乾燥期間を設けることにあります。畑からは海が目と鼻の先。三陸の潮風を浴びてうま味を育てます。

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天気が良い日は潮風を当てて玉ねぎを保管しています

残念ながら、倒壊した家屋のがれき除去が思うように進んでおらず、当初予定していた倉庫の跡地にテントを立てて保管や作業をする、という計画通りにはことが進まなかった農家さんもいらっしゃいます。

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今回の山火事によって燃えてしまった、玉ねぎの保管倉庫

昨年秋口に植え付けられ、林野火災を乗り越えて無事に収穫期を迎えた玉ねぎは、7月初旬に出荷をすることが出来ました。

地域で愛される玉ねぎが、収穫をあきらめることなく今年も無事に食卓に届くことができました。

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玉ねぎ農家の方に現地を案内してもらうスタッフ

ウニ漁のための資材も支援

また、赤崎町長崎外口地域では、半農半漁、農業の他に漁業をされている方も多くいらっしゃいます。緊急支援チームはウニ漁のむき身作業用のテントも支援しました。

ウニ漁も無事に終盤を迎えています。決められた時間で効率よく作業をする必要があるウニ漁。作業スペースの損壊でお困りだった漁師さんは、支援でお届けしたテントを利用し、日々の出荷時刻に遅れることの無いように作業に当たられました。

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ウニのむき身作業をしている様子

テントの天幕を雨よけカバーに使う方や、ブルーシートを作業スペースの日よけに取り付ける方、みなさんそれぞれが工夫をしながら支援物資を活用されています。

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倒壊しなかった家のスペースを借りてテントを立て、ウニのむき身作業にあたった場所。ビニールシートで壁を作る工夫がみられます。

家を失われた方、なりわいの道具を失われた方、道具は無事でも作業小屋を失われた方、それぞれの大変な環境で、毎年のなりわいを、何とか今年も遂行するとが出来ました。

なりわいを応援する支援で被災地に力を

今回の大船渡で発生した山火事への支援は、単なる物資の提供にとどまらず、生活するためになくてはならない営み「なりわい」の、収穫・出荷という重要な作業を応援することができました。

これまで私たちは、数多くの被災地支援や地域復興活動を行ってまいりましたが、今回のように、現場からの具体的な要望に耳を傾け、その支援ニーズに即した支援を行うことが、私たちの活動の根幹になります。

皆さまからのご支援が、被災地域での暮らしの再建の応援に繋がっています。引き続きの応援とご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

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