
JOURNAL #4932025.11.20更新日:2025.11.21

発災から2日目を迎えた大分市佐賀関で起きた大規模火災。消防庁対策本部によると、延焼面積は約48,900㎡におよび、20日時点でまだ鎮火の目途は立っていない状況で、警察・消防に自衛隊のヘリコプターも投入された消火活動が続けられています。
19日夜、現地に到着した空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援チームは、その日のうちに関係者と連絡をとり状況把握に努め、20日以降迅速に支援活動を始められるように準備を進めました。

20日朝、空飛ぶ捜索医療団のメンバーはまず最初に佐賀関市民センター内佐賀関公民館の避難所にてニーズ調査を開始。発災初日は121世帯180名が避難していましたが、この2日の間に避難所を離れる方がみられ、避難者の数は73世帯111名まで減少していました。数字的には大きく減りましたが、避難解除はまだ発表されていないことから避難生活が続いていることに変わりはなく、避難所の方々も含めて多くの被災者は支援を必要としています。
一夜にして日常を奪われたこの避難生活をさらに難しいものにしているのが、「家がどのような状態なのか」を確認できないという状況です。火災の場合、基本的に鎮圧状態となり、避難解除が発令されない限り、多くの避難者は家に戻ることはおろか、家の状況さえ確認する術がありません。このことがさらに不安や苛立ち、ストレスとなって避難者を疲弊させる要因となっているのです。

こうした火災特有の問題を抱えるなか、避難所の環境整備の緊急性も確認されました。避難所となっている公民館は広く、設備も充実して室内は暖房で暖められていましたが、避難所としての機能と環境はまだ整備されておらず、この2日間、避難者は床に薄いマットを敷いて雑魚寝状態だったといいます。
今回の緊急支援における空飛ぶ捜索医療団の大きなミッションとなるのが、この避難所支援です。避難所運営本部と協議しながらまずは現段階の課題を整理し、避難者にとって少しでも快適に過ごせる環境改善と、避難所運営にあたって必要な体制構築が話し合われました。

また、避難所には、水や飲食物を中心にさまざまな支援物資が集まり始めてはいましたが、避難者は文字通り着の身着のままで逃げてきたため、多くの避難者から聞かれたのが、衣服類に関する問題です。
この状況を受け、空飛ぶ捜索医療団は協力団体とも連携し、下着や肌着、靴下などの衣服類の支援物資を手配。そのほかにも衛生上、避難所内の生活区域は土足禁止とし、代わりにスリッパを用意するなど環境改善の観点も含めた物資を配付する準備を進めていきました。

不安、苛立ち、ストレスを抱えながら避難生活が長引くことも予想されるなか、懸念されるのが災害関連死にもつながる健康状態の悪化です。
インフルエンザが流行し始める時期でもあることから、避難所内の衛生環境の整備と感染予防対策は急務。災害関連死を防ぎ、避難所内の健康をどのように守っていくか、この日は災害支援ナースや社会福祉協議会など医療・福祉に関連する団体との連携なども確認されました。

避難所支援は、物資だけでなく、医療・福祉の観点からも避難所運営を考えていかなければなりません。空飛ぶ捜索医療団は、これまでの災害支援で築きあげてきた知見とネットワークを生かし、避難者の健康を守るために、明日以降もやるべきこと、できることを一つひとつ解決していきながら医療・物資支援を連動させた避難所支援を行っていきます。
空飛ぶ捜索医療団では、今回の大分市大規模火災にて被害を受けた方々を支援するために、緊急募金を実施しています。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
▶令和7年大分市 大規模火災 緊急支援:Yahoo!ネット募金
▶緊急支援|大分市 大規模火災へのご支援を:READYFOR
▶【緊急支援】大分市大規模火災:CAMPFIRE
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