JOURNAL #2932024.01.05更新日:2024.01.25
「令和6年能登半島地震」発生から5日。被害の大きかった沿岸地域や、道路が寸断され孤立している集落など、いまだ状況が十分に把握しきれないエリアがあります。空飛ぶ捜索医療団・緊急支援チームは、行方不明者の捜索活動と医療支援を継続しながら、支援が行き届いていない地域の被害状況を確認するため、ヘリコプターを使っての調査を進めています。
また、急務となっている物資支援を加速させるため、海路からの輸送ルートを確保し、船舶による物資支援を開始しました。
避難生活が長引くなか、各避難所では薬をはじめとする必要な生活用品の物資が不足し、さらに寒波による気温の低下なども加わり、体調不良を引き起こす方が増えています。こうした診療など体のケアだけでなく、先の見えない不安から心のケアも必要で、長期的な支援が求められます。
医療チーム、捜索救助チームが、それぞれできる支援を続ける一方で、もっとも急務とされていた水不足に対し、昨日から給水支援が急ピッチで進められています。ピースウィンズは、これまでの災害支援でも連携してきたアクアデザインシステム株式会社が本部のある高知から浄水装置を持ち込み、避難所での給水が可能となりました。
TDSテスター(水中に含まれる不純物を測定するもの、数値が低いほど不純物が少ない)で検査すると、原水は178の数値を記録。一般的な水道水の場合、50~60程度が通常のところ、装置を通した浄水はわずか2という数値で、一般的な水道水よりもはるかに綺麗な水が提供できます。
給水装置を設置した珠洲市内の中学校の校長先生からは、次のような感謝の言葉が述べられました。
「水は飲み水だけじゃなくて何にでも使う。ここには、別の企業から支援でもらった大きな水のタンクがあるので、ほかの避難所の人たちも水を取りに来ていたから、いくらあってもすぐになくなっていた。本当にありがたい。水は冷たいけどね、心はあったまるよ」
給水は、健康面だけでなく、深刻な問題となっている衛生面の改善にもつながり、これまで劣悪だったトイレ環境も大きく改善されることが期待されます。先の見えない状況のなか、被災者の方の気持ちが少しでも前向きになればと願ってやみません。
空飛ぶ捜索医療団は、昨年5月に能登半島で起きた地震の際にも緊急支援チームを派遣。避難所支援や物資支援、部会立ち上げ支援なども行いました。その時の経験を活かし、今回は珠洲生活サポート部会の運営支援を空飛ぶ捜索医療団の本部指揮所スタッフが担い、医療保健部門をサポート。他団体のメディカルチームが到着したら各避難所の状況等の情報共有を行っています。
2023年5月に発生した能登半島地震の活動記録は、以下よりご覧になれます。
▶2023年5月~石川県能登地方地震緊急支援
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