JOURNAL #3682024.10.08更新日:2024.10.08

【令和6年奥能登豪雨】土砂災害の警戒が続く石川県珠洲市の現在の状況と支援活動

9月21日の豪雨によって流れ込んだ土砂や流れてきた大量の枝木を道の脇に集める作業などが、被災地の各所で続けられています。水害の発生から約2週間が経ったこの日も珠洲市では雨天が続き、さらなる土砂災害などへの警戒が続いています。

河川の氾濫被害にあった地区。道路を覆っていた土砂を脇に集める作業が行われていた

“二重被災”ではなく“多重”被災。能登半島で重なる自然災害

2023年5月能登半島地震 緊急支援当時 避難所の環境整備を行う橋本

多くの人は、今回の災害を“二重被災”といいます。しかし実は、2023年に発生した地震からの復興途中でもありました。

2023年5月に発生した「令和5年奥能登地震」では、石川県能登地方を震源としたマグニチュード6.5の地震が発生。特に珠洲市では、最大震度6強を観測しました。これにより1名の尊い命が犠牲になり、負傷者は30名以上、500棟を超える家屋が損壊し、局地激甚災害に指定されるほどの甚大な被害をもたらしました。

そして、この災害によって損壊された家屋の「公費解体」の申請期限は、2024年1月31日(水)。つまり、地道に復興へと進んでいた中で「令和6年能登半島地震」は発生し、さらに先日「令和6年奥能登豪雨」が襲い掛かったのです。

何度も何度も、心が折れる経験をし、それでも立ち上がり前を向いて歩んでいた被災地の人々の心境は察するにあまりありません。

震災から9ヵ月。やっとの思いで…前に進んでいた被災地

田んぼの敷地一帯が土石流などで壊滅状態になった場所

珠洲事務所現地代表の橋本は、なぎ倒された稲穂を前に、深い苦悩を語りました。「やっと何とか、生活が少しずつ元に戻りつつあると感じ始めていたんです。それなのに、この豪雨はあまりにも残酷でした。ただ家が流されたとか、何センチの浸水だとか、そんな話だけではありません。まるで私たちの生活の基盤と、これからの希望すらも根こそぎ奪い去られてしまったような感覚です」

新米の収穫の時期でもある9月。今年の収穫に対しての思いは、例年とは少し違うといいます。

地震の影響で生まれた多くの課題に向き合い、苗を育て、田んぼを耕し、田植えをして定期的に雑草刈りを行う…。日々辛い状況でも日常の仕事を続けること、そして、道行く人も田んぼ全体で輝き始めた稲穂の成長を見守ることが、心の支えにもなっていました。

収穫量がどこまで減少してしまうのか、まだ見通しもつかない状況です。

「珠洲におりたい」 ー 豪雨被害に向き合う心の強さ

在宅避難者のご夫婦への定期的な訪問を行う

戸別訪問では健康相談や生活上での困りごとなど、被災者の方々の状況に応じて、あらゆる支援を行っています。

珠洲に残りたい、ここで暮らし続けたいという気持ちは、大きく強いものです。ある方は「都会はなんでもあるかもしれないけれど、自分にできることがない」と、話してくださいました。

珠洲の人々が抱える葛藤や苦悩、そしてそのなかで生まれる希望。豪雨の爪痕が残るなかでも人々は、この地で畑を耕したり、海とともに生きたいと切に願い、一歩一歩、前に進もうとしています。

あらゆる機関と行政との橋渡し役を担い、被災地を支える

珠洲市関係機関全体会議に民間支援団体代表として参加している橋本

私たち独自で行う支援活動と並行して、今でも珠洲市や県と連携し民間の支援団体などと被災地で様々な分野で支援を行っている多機関が、円滑に活動を展開できるよう、ハブのような役割を担っています。

その活動のひとつとして、珠洲事務所代表の橋本は、石川県珠洲市復興計画策定委員会有識者会議委員に任命され、復興計画へのコメントやアドバイスを行っています。また、珠洲市の被災状況・復旧状況などが共有される珠洲市関係機関全体会議に民間支援を代表する形で参加。橋本は珠洲市で活動する民間支援の各団体に、現地での課題や必要な情報を伝え、それぞれが円滑に支援活動を進められるよう調整などを行っています。

震災と豪雨災害。避難所では、震災以降、避難者の人数も徐々に減っていましたが、先日の豪雨被害や新たな大雨の予報によって、避難指示対象地域の方々は避難生活に戻られました。幸いにも、避難生活に必要なほとんどの支援を届けることができ、地元医療機関も機能しています。

現在の主な支援活動のまとめ

豪雨被害(土砂災害)から逃れた彼岸花
  • 仮設住宅への家電支援
  • 豪雨災害に伴う水・食料、生活用品などの物資支援
  • 保健福祉の観点での戸別訪問
  • 地元医療機関との連携による健康相談
  • 行政と各支援団体の連携サポート

※被災者への支援は在宅避難・避難所・仮設住宅を問わず行っています。

行政でしかできない取り組み、民間だからこそ実行できる取り組みが、歯車のようにかみ合うことで、被災地を取り巻くあらゆる課題に向き合い、誰一人として取り残さない支援を、これからも届けます。

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