JOURNAL #4262025.04.14更新日:2025.04.14
広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
お寺の境内を見渡すと、一昨日までは100人ほどだった避難者の数は明らかに増え、聞けばすでに避難者の数は130世帯、400名ほどにまで膨れ上がっているといいます。
「もう家では生活していけない。追い出されるまではこの避難所で暮らすしかないわ」と、避難者の一人が力なく答えました。
ミャンマー中部を襲った大地震、その震源に最も近い都市ザガインでは多くの家屋が倒壊し、被災者は体にも心にも深い傷を負いました。
「今はとにかく怖い。我が家は崩れずに残ったけれど、家の中に入って寝ようとはまだ思えません。夜にまた地震が来たらきっと逃げられません。4月21日までは余震に気をつけるようにと人から聞いたので、それまでは家で寝泊まりするつもりはありません」
マンダレーやザガインの住民は、これほど大きな地震を経験したことはなかったといいます。さらにマグニチュード7.7の地震以降もほぼ毎日のように断続的な余震は続き、2週間が経った4月13日にもマグニチュード5.5の大きな地震が発生しました。
「一度目の地震では崩れなかった建物も実は多かったんです。だからみんな避難せず家にいた人もたくさんいました。二回目が来るなんて誰も想像してなかった。揺れが収まって安心していたところに二発目の地震が来て、それでたくさんの家が崩れました」
震源にほど近い都市ザガインでは、多くの避難者がお寺や運動場などの場所、あるいは今も道路沿いや壊れた家の前のスペースに自らテントを立てて避難生活を送っています。
今回、お寺に避難している40代女性がお話を聞かせてくれました。
「地震で家が崩れてからこのお寺にお世話になっています。震災前は私もバイクタクシーの仕事をして家族の生活を支えていましたが、バイクも壊れて仕事もなくなりました。
地震が起きてからいろいろなものの値段が上がっています。これまで700チャットで買えていたペットボトルのお水は1000チャットを超えています。ガソリンは倍近く値上がりしました。ガソリンがなければ、どこかに買い物に行くのも困難です。
崩れた家の解体や瓦礫の撤去も自分でお金を出して業者を呼ばないといけないので、そのお金も必要ですし、その後は家を建てることも考えないといけません。避難所にいればとりあえず寝る場所と、水と食事は何かしら受け取れますが、住職さんがいつまでここにいることを許してくれるか……この先のことは、何も見えません」
一方で、現在130世帯400人近くの避難者を受け入れているお寺の住職も、今後の不安を口にしていました。
「元々ミャンマーは助け合いの精神が強いので、今は多くの個人や国内団体が支援物資を持ってきてくれます。物資がここに集まっているから避難者は減るどころか、むしろどんどん増えている。避難者への食事も今は行き届いていますが、この支援がいつまでも続くものではないと思っています。
本当に恐ろしいのは、寄付がなくなった後にどうやってこの避難者を食べさせていくのか。当面は我々も面倒を見る覚悟ですが、いつまでもというわけにはいきません」
被災者も、現地の支援者も、将来への不安はむしろ少しずつ大きくなってきています。
当面は医療支援とともに、避難所で支援活動を行う現地NGOに物資支援を行ったり、ソーラーランタンを導入することで避難所の住環境を整備するなど避難生活をサポートしていきますが、今後は経済的な困窮により、被災をきっかけにホームレスになる人が増えることも危惧されています。こうした状況に対し、ピースウィンズは現地提携団体との連携を模索しつつ、中長期の物資支援や生活再建の被災者支援を計画しています。
ピースウィンズは、ミャンマーで起きた大規模地震による被災者を救うための支援をおこなっていきます。みなさまからのご寄付が活動の力となり、被災者の命を救い未来につながります。災害で苦しむ人びとのために、あたたかいご支援をお願いいたします。
※国外での支援活動のため、商品など物資寄贈のお申し出はお受けしておりません。
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