JOURNAL #4352025.05.14更新日:2025.05.14
広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
「行けー!」「ゴールまであともうちょっとだ~!」「がんばれ~!」
令和6年能登半島地震と豪雨で被害を受けた石川県珠洲市の仮設住宅や避難所で、参加者が一体になって夢中になるお茶会が開催されています。お部屋にいながらハイキングにでかけたり、ボーリングをしたり、ときには福笑いを一緒に楽しんだり。空飛ぶ捜索医療団と「TANO」がコラボレートしたコミュニティ支援の一幕です。今回は、珠洲市で実施しているコミュニティ支援についてレポートします。
空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”が実施している「コミュニティ支援」は、仮設住宅への入居など新しい環境下での生活をサポートするだけでなく、保健医療の観点も取り入れたさまざまなイベントを企画。参加した方々への健康チェックを実施し、持病の悪化や体調不良などを未然に防ぐ役割も担っています。
「より集まりやすく、そして楽しみながら健康をサポートするには、どのような催しを行ったらよいか?」とスタッフが検討していたところ、NTT西日本 北陸支店 鎧塚さんとの、ひょんなことからの出会いがきっかけで、「TANO」を活用したコミュニティ支援が実現しました。
TANOTECH社が開発した「TANO」とは、福祉・介護・教育現場向けのゲーミフィケーションテクノロジー。モーションセンサーを利用することでセンサーの前に立つだけで体がコントローラーとなり、300種類以上の運動・発声・脳活性化プログラムを非接触・非装着で楽しくトレーニングすることができます。運動プログラムはリハビリテーションに適した体の動きを取り入れ、年齢に関係なく誰でも簡単に利用できるのが大きな特徴です。
もともとNTT西日本様とTANOTECH様は震災前から連携し、「TANO」を地域への貢献事業として介護施設や公民館などに導入、多くの住民に楽しまれていました。
そして昨年の能登半島地震を受け、「自分たちにも何かできることはないか」と話し合った結果、市町や大規模な二次避難所など被災した各地域に「TANO」を貸し出すことを決定。空飛ぶ捜索医療団のコミュニティ支援とつながって活用の場が広がり、これまで26回のイベントを実施、延べ約180名の方が参加してくれました。
NTT西日本 担当者鎧塚さんは、今回の支援についてこう話してくれました。
「”ちょっと足悪いんだよね”っていう方でも、上半身だけで楽しめる。年齢や身体の不自由も問わず、お子さんたちも汗だくになって夢中で遊んでくれている姿を見ることができて、とても嬉しく思います。私たちは機器の提供(ハード)面での支援が主ですが、空飛ぶ捜索医療団との連携によって、本当に求められる場所で活用していただいていることに、大変ありがたく感じています」。
TANOを活用したイベントは、運動に夢中になることで心身ともにリフレッシュが期待できる一方、利用者が体を痛めてしまわないよう、石川県や珠洲市総合病院のリハビリの理学療法士とも連携し、参加者にあった身体の動かし方で実践しています。
肩回りが凝っている方には上半身を動かせるゲームを選択したり、足腰が弱い方には座りながら軽い足踏みで参加できる「バーチャルハイキング」などのゲームに参加してもらうなど、より効果的な使い方を心がけています。
新しい環境になかなか慣れず、少しふさぎ込みがちだったという参加者のひとりは、TANOの経験をきっかけにリフレッシュできたことで気分も前向きになり、日々の運動量も回復してきたと話してくれました。
珠洲市も含めた奥能登の各被災地では、現在も仮設住宅での避難生活が続いている方が多く、本当の日常を取り戻すまでには、まだまだ時間がかかります。空飛ぶ捜索医療団は、これからも被災地を想うさまざまな分野の人々と手を取り合い、被災者の方々の健康を守り続けていきます。
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広報:
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
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