JOURNAL #4682025.08.29更新日:2025.08.29
津波はおもに海でおきる地震によって発生し、その規模や速さによっては多くの命を奪うほど大きな被害をもたらします。もしも、みなさんの町に津波が押し寄せてきたら、どう行動しますか。
今回は、津波のしくみや特ちょう、家庭でできる準備と安全に避難するポイントをわかりやすくご紹介します。家族といっしょに読んで、いざというときすぐに行動できるようにしましょう。
津波は、ふだんの波とはちがい「海そのものが動く」といえるほど強い力をもっています。ここでは、その速さと高さについてご紹介します。
津波は、海の深い場所ではジェット機と同じくらいの速さ(約時速800キロ)で伝わります。海の深さが浅くなるとスピードは落ちますが、それでも車と同じくらい(約時速40キロ)の早さで陸に向かってきます。とても走ってにげ切れる速さではありません。
浅い場所では波の高さがどんどん高くなり、ビルの5階くらい(約15メートル)を超える津波が押し寄せることもあります。その力は、車や船まで打ち上げるほどです。
実際、2011年の東日本大震災では、津波が最大で約40メートルの高さまで斜面をかけあがり、町全体をのみこむなど各地に大きな被害をもたらしました。震災で亡くなった人の約9割は、津波による溺死だといわれています。
津波は、地面のゆれ(震度)が小さくても、思ったより高く押し寄せることがあります。将来おきるとされる「南海トラフ巨大地震」では、場所によって最大34メートルもの津波が到達するそうです。津波がくるかもしれない場所では、いつでもすぐににげられる準備が必要です。
地震のあとの津波からすぐ逃げるために、日ごろからできる準備やポイントをチェックしておきましょう。
まずは、自分が住んでいる町で「どこににげるか」を、家族といっしょに確認しておきましょう。各自治体から配付されるハザードマップには、津波の浸水が予想されるエリアや避難場所が記されています。もし手元にない場合でも、「ハザードマップポータルサイト」で簡単に調べられます。
避難のポイントは次のとおりです。
避難場所や避難ビルは、自治体のホームページで公開されています。たとえば「〇〇市 津波避難ビル」と検索すれば、家の近くの避難場所を確認できます。旅行や帰省のときも、出発前に現地の避難場所を調べておくと安心です。
日ごろから防災グッズを準備しておくと、避難したあとにとても役立ちます。家族で相談しながら、「背負ってにげられる重さ」を目安に防災リュックを用意しておきましょう。
【防災リュックに入れるものの例】
安否確認や津波情報を聞くためのスマートフォンも忘れないようにしましょう。
また、外出するときには、小さなポーチに水・食べ物・ライト・笛などを入れて持ち歩くと安心です。ただし、実際の避難のときは状況によって、「手ぶらでにげる」ことが命を守る行動になる場合もあります。
防災グッズはあくまで「たすけになるもの」。いちばん大事なのは、命を守るためにすぐに行動することです。
地震や津波は、家族がいっしょにいるときにおこるとは限りません。学校、会社、塾など、ばらばらの場所にいる場合もあります。
だから、「もしそのときにどうやってにげるか」を家族で話しあってきめておくことが大切です。話しあいのときに防災カードゲームの活用もおすすめです。
スマホを持っている人は、防災アプリや防災メールに登録しておきましょう。地震や津波の情報がすぐに届くので、いざというときの行動に役立ちます。
たとえば、次のアプリやサイトをチェックしてみてください。
▶Yahoo!防災速報|災害から命を守るヤフーの防災アプリ
▶NHKニュース・防災アプリ
▶特務機関NERV防災
また、町や市が作っている防災アプリもおすすめです。地震や津波の情報をすぐに知れたり、避難場所や行き方を確認したりできます。小学生のみなさんも、自分で情報を受け取る習慣をつけましょう。
津波警報や注意報が発表されたら、迷わずすぐに行動しましょう。時間がたつと津波はどんどん押し寄せてくるので、ためらわず避難してください。
発表基準 | 予想される津波の高さ | 想定される被害ととるべき行動 | |
---|---|---|---|
大津波警報 | 予想される津波の高さが3mを超える場合 | 10m超/5m/3m | ・木造家屋が全壊 ・流失し、意図は津波による流れに巻き込まれる ・沿岸部や川沿いの人は、ただちに高台や避難ビルへ避難する |
津波警報 | 予想される津波の高さが1mを超え、3m以下の場合 | 3m | ・標高の低い地域では浸水被害が発生し、人は津波に巻き込まれる危険がある ・沿岸部や川沿いの人は、ただちに避難する |
津波注意報 | 予想される津波の高さが0.2m以上、1m以下であっても被害が予想される場合 | 1m | ・海の中では人が早い流れに巻き込まれ、養殖いかだの流失や小型船舶の転覆の恐れがある ・海岸付近の人はすぐに離れる |
津波は見てからにげては間にあいません。東北には「津波てんでんこ」という言葉があり、「まわりと別々でも、自分の命を守るために迷わずにげる」という意味です。にげる場所や方法をあらかじめ確認しておくと、すばやく行動できます。家族といっしょに避難ルートを話しあい、いざというときにそなえましょう。
にげるときはまず高さを優先しましょう。高台や避難ビルなど、近くの高い場所に向かいます(津波緊急避難場所や津波避難ビルのマークは日ごろから覚えておきましょう)。ただし、川沿いや低い道は危険なのでさけてください。
忘れ物を取りに家に戻るのはとても危険です。絶対に戻らないようにしましょう。津波は、1つめの波よりも2つめ、3つめの波のほうが高いこともあります。
また、大きな余震で新たな津波がおきるかもしれません。警報や避難指示が解除されるまで、避難場所で安全に待つことが大切です。
家族でこの記事を読んで、避難場所やにげ方を確認し、いざというときにそなえましょう。
【関連記事】津波に備える|津波から命を守るために知っておくべき備えと避難行動~3.11の記憶と教訓~
津波から命を守るためには、地震を感じたらすぐに行動することが大切です。日ごろから避難場所や避難ルート、防災グッズの準備、家族との話しあいをしておくと、いざというときに、すばやく正しい判断ができます。防災アプリやメールで情報を受け取る習慣も身につけ、家族みんなで安全にそなえましょう。
【参照】
国土交通省|防災学習ポータルサイト
国土交通省|津波はどうして起こるの?
気象庁|南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ
気象庁|津波警報・注意報、津波情報、津波予報について
東京都教育委員会|防災ノート~災害と安全~小学校5・6年生版」
消防庁|こどもぼうさいe-ランド「クイズで防災を学ぼう~津波について学ぼう~」
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