JOURNAL #4732025.09.17更新日:2025.09.17
広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
静岡県にて、国内では最大級と推定される竜巻が発生してから1週間以上が経過し、迎えた3連休。各地から災害ボランティアが集結し、要望に応じて被災した家の掃除や片づけ、瓦礫の撤去など復旧作業が急ピッチで進められています。
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"の緊急支援チームは、被害が大きかった地区のなかでおもに支援の手が比較的少なかった吉田町の支援に尽力。9日に現地入りして以降、自治体や社会福祉協議会(社協)と連携し、被害状況の把握とニーズ調査などの活動とともに、支援者側の体制構築や運営などのサポートを行っています。
災害の復旧で大きな役割を果たすのが、専門職も含めた災害ボランティアの存在です。災害ボランティアセンターの開設準備では、ボランティアの人たちがスムーズに活動できるように、センター内のレイアウトなども工夫しながら設営をサポート。また、さまざまな活動は現場こそ分かれますが、各チームの情報はそれぞれの活動に関連してくるため、指揮系統やスムーズな情報共有の体制と仕組みづくりも重要になってきます。
制度も含めた大きな支援を動かす自治体や地元の官民の支援団体が、縦割りではなく、シームレスにつながっていくことが被災者を救うことにつながります。石川県珠洲市をはじめ、数多くの被災地を支援してきた橋本は、災害支援における支援者側の体制構築の重要性について次のように語ります。
「同じ災害というのは、ひとつもありません。災害の規模だけではなく、被災者もそれを支援する側も地域・地区によって事情は異なり、抱える課題もさまざまです。こうしたそれぞれの状況をきちんと把握しながら、どのように必要な支援を必要とする人に、スピード感を持って届けていくかを考えていかなければなりません。そして外部の支援団体として考慮しなければならないのは、いずれは地元の地域・地区が自分たちで再生していく力を持たなければならないこと。被災者同様、支援者や支援体制を支えていくことも、災害支援ではとても重要になってきます」
ボランティアセンターが効率的に機能し、迅速に被災者の支援を行うことは、1日でも早く被災地が復旧・復興するためには欠かせない活動になります。今回の支援では、こうしたボランティアセンターの運営サポートも重要なミッションのひとつとして取り組みました。
一方、被災者からのニーズ調査では、被災した家屋の掃除(ごみの搬出)や片づけ(荷物の運びだし)、瓦礫の撤去、解体や修復など、業者やボランティアが必要とする作業のニーズを確認するほか、公的支援を受けるために必要な情報を提供し、適切な窓口につなげる活動を行っています。
この聞き取り調査のなかで、空飛ぶ捜索医療団が大切にしているのは、行政やほかの支援団体が対応することができないことでも、被災者に困りごとがあれば“何ができるか”考えること。「猫を保護してもらえないか」という相談事もそのひとつです。
あるご家族が、家主がお亡くなりになり、不在となった親戚の猫の面倒を見ていましたが、その家が被災。さらにご自身の家も被災して世話をするのが難しくなったため「一時的にでも保護してもらえないか」と相談があったといいます。今回、行政ではペット支援を行っていなかったため、空飛ぶ捜索医療団は町内にある保護猫カフェに連絡。吹きさらしの状態だった家から無事猫を保護してもらいました。
被災して以来、どこにも相談できず、なんとかしなければと思いながらも余裕がなく、ずっと悩んでいたといいます。私たち自身ができなければ、それに対応してくれるところを探してつなげることも支援のカタチのひとつです。
医療や物資、避難所支援など、災害支援の活動は、大きな支援ばかりが注目されますが、被災者にとっては、こうした個人的な悩みも大きな負担になっています。支援としては、保護猫団体につないだ、という小さな活動です。それでも被災された方の不安をひとつでも解消し、困難な復旧や生活再建に前向きに取り組んでもらうことは、私たち民間団体だからこそできる、大切な、大きな支援だと考えています。
▶空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の活動記録
https://arrows.peace-winds.org/record/ornado-shizuoka/
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https://donation.yahoo.co.jp/detail/925091
▶READYFOR
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広報:
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"ジャーナル編集部です。災害に関する最新情報と、災害支援・防災に関わるお役立ち情報をお伝えしています。
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