
JOURNAL #4942025.11.23更新日:2025.11.24
広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

大分市佐賀関で大規模火災が発生してから5日が経ちましたが、ドローンで焼損エリアを確認したところまだ熱源が数か所で確認されたことから鎮火にはいたらず、現在も避難解除にはいたっていません。
それでも延焼の可能性は極めて低くなったことから市の消防局は鎮圧状態であることを報告。これまで自宅に近づくことができなかった被災者が自宅の状況を確認できるように、消防の管理のもと避難区域をまわる臨時バスが運行されました。

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援チームは、19日に現地入りして以降、避難所を中心にニーズ調査を開始。被災者は喫緊で今、何を求めているのか、必要な支援は何かを確認するために関係者や直接避難者の方々に丁寧にヒアリングを行い、市や各団体と連携しながら必要な支援を必要な人に迅速に届ける活動を続けています。

そのなかでも空飛ぶ捜索医療団が特に注力しているのが、避難所支援です。空飛ぶ捜索医療団はこれまでの災害支援の経験を踏まえ、公衆衛生の観点も含めた避難所の環境改善を推進してきました。発災から数日間は地べたに薄いマットを敷き寝泊りしていましたが、パーテーションや段ボールベッドが導入され、空飛ぶ捜索医療団のスタッフも設営をサポート。この2日間で避難所の環境は大きく改善されました。

同時に、課題とされている避難所内のインフルエンザの感染対策では、避難所への出入りを管理する仕組みを整えながら、手指消毒等の周知を徹底。さらに避難所の入口には検温器を設置し、各部屋に加湿器を用意するなど感染拡大を予防する対策を強化していきました。

また、避難者の多くの方々は着替えがなく、困っていたことからヒアリングを行った翌日には最小限の下着や肌着などの衣服類を配付。さらに今後、避難生活が長引くことを想定し、協力団体と連携しておよそ100名が1週間ほど過ごすことができる衣服類を至急手配するなど、最大限のスピード感を持って被災者を支える支援にあたっています。

災害で被災するのは、人だけではありません。避難所支援を進める一方、今回の火災でも行方が分からなくなっていたペット(猫)がいるとの相談もありました。また、もともと佐賀関は地域猫が多く、火災から逃げられたのか、生き延びられたとしても餌をあげる人がいなくなったことを心配する声も多く聞かれました。
避難区域には、おそよ40匹の地域猫が暮らしていると言われています。今回の緊急支援チームには、こうした事案にも迅速に対応できるように、ピースウィンズが運営する動物保護事業(ピースワンコ、ピースニャンコ)のスタッフも帯同し、関係各所と相談しながら動物保護の支援活動も行いました。

空飛ぶ捜索医療団は、消防の承認のもと、行方不明となっていた飼い猫と、一時的に地域猫を救うために避難区域内の数か所に捕獲器を設置。幸い行方不明だった飼い猫は、無事捕獲に成功し、火災発生以来、久しぶりに飼い主と対面することもできました。

そのほかにも地域猫を数匹助け出し、地元の動物保護団体『RIRIMAMの樹』に引き渡しました。『RIRIMAMの樹』には、フードや猫用トイレの砂など必要な支援物資を届けるなど、それぞれができる支援を重ねて小さな命も守っていきました。

被害状況が少しずつ明らかになっていくなかで、想像はしていたものの現実を目の当たりにして途方に暮れる方もいます。今後、被災者は罹災証明をはじめとするさまざまな支援制度を検討し申請したり、生活再建に向けてさまざまな決断をしていかなければなりません。
被災地が復旧・復興に向かい、被災者が1日でも早く日常を取り戻すためには、支援も迅速な対応が求められます。被災者を支えるために何ができるのか、官民に企業の力も連携させて大きな支援を推進するとともに、地元の支援団体と力を合わせて個々の悩みにもできるだけ声を傾け、支えていく。空飛ぶ捜索医療団は時にハブとなって、取りこぼしのないきめ細やかな支援を今後も続けていきます。
空飛ぶ捜索医療団では、今回の大分市大規模火災にて被害を受けた方々を支援するために、緊急募金を実施しています。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
▶令和7年大分市 大規模火災 緊急支援:Yahoo!ネット募金
▶緊急支援|大分市 大規模火災へのご支援を:READYFOR
▶【緊急支援】大分市大規模火災:CAMPFIRE
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空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部
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