JOURNAL #5012025.12.11更新日:2025.12.11

【青森県東方沖地震】震度6強の地震が発生。先遣隊が緊急出動

広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

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12月9日、青森県八戸市内にて

12月8日23時15分頃、青森県東方沖(八戸市からおよそ80km付近)を震源とする、最大震度6強の地震が発生し、青森県の太平洋沿岸部に津波注意報が発表されました。その後、注意報は一時、津波警報に引き上げられましたが、「最初の警報・注意報よりも津波が小さい、あるいは発生しない可能性が高い」との判断から9日朝6時20分には津波警報・注意報はすべて解除。この発表を受け、各市町村に設置された10の避難所はすべて閉鎖され、避難していた2910人の住民の方々はそれぞれの家へと帰宅されました。

青森県災害対策本部が発表した被害状況によると、死者は0人(負傷者37人)、建物被害は3件(非住家8件、その他内壁および外壁のひび割れ等、多数確認)。また一部地域での断水や、道路が損傷し通行が規制された国道もありましたが、すべて解消されていることが報告されています(12月10日時点)。

被災状況の把握・確認に奔走

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“一秒でも早く”現地に行くために固定翼機を利用

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”では、地震などの災害が起きた際、その規模に応じて隊員は本部に参集し、出動体制を整えて出発もしくは待機を決定する出動基準が設けられています。今回、青森県で発生した震度6強は、その設定された出動基準を満たしていたため、発災から20分後には対策本部を立ち上げ、情報収集とともに出動準備を開始。翌9日朝には、本部のある広島県神石高原町から青森県八戸市へ向けて、調整員1名、看護師1名の先遣隊が派遣されました。

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移動中も情報収集を行い、到着後の活動を整理していく

先遣隊のミッションは、まずは被害の状況を確認・把握すること。出動する際には、各報道機関の情報なども参考にさまざまな決定を行っていきますが、今回、報道やニュースなどからは被害規模も含めた現地の状況をつかめずにいました。

先遣隊は、移動中も関係各所から発信されている情報をはじめ、各市町村の災害対策本部や防災課へ直接連絡し、聞き取り調査を実施。八戸に到着後は、先に現地入りし調査を進めていた連携団体のメンバーと合流して情報を共有しながら、さらに明るいうちに八戸から南側へ、岩手県との県境付近までの海岸線沿いを調査。翌10日には、下北半島を広くまわり、被害の状況把握に尽力しました。

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調査の結果、家屋の被害や人的被害、インフラの状況なども含めて大きな被害は確認されず、医療機関なども小さな被害はあっても外来診療が平常通り再開できていることがわかりました。

また、県内のおよそ160校が臨時休校処置を実施していましたが、10日にはほぼすべての学校が再開(一部学校では水道管が破裂し、復旧に向けて作業継続中)、各行政機関も通常業務となっています。

震度6強という大規模な地震が発生しましたが、現地は大きな混乱もなく、街は日常を取り戻しています。

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漏水による断水が発生した七戸町内にて行われていた給水支援。市役所職員が交代で朝6時から配付を開始しているという

こうした状況から、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は初動調査を終了。一旦、現地での活動を終えることを決定しました。

しかし、被害がまったくなかったというわけではありません。外壁が落ちたり、いくつかのお店や家庭内ではさまざまなものが落下し散乱したり、一部地域では断水、さらに鉄道の橋脚が損傷し電車が運休するなどの被害が確認されています。

青森県内ではこの2日の間にも震度1~4の余震が何度か続いており、政府から発表された『北海道・三陸沖後発地震注意情報』も含め、今後も状況を注視していきます。

初動調査を終えて

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「大きな地震の被害がなかったことは、ただただ幸いでした。ただ現地は、発災後とは思えない変わらない日常の中に、ほんのわずかに違う空気を感じます。災害が起きないことを願いながらも、その静けさは、後発地震──その“次”に備えることの重さを、静かに教えてくれているようです」(新谷)

「これまでさまざまな地震の現場で支援してきましたが、震度6強の大規模地震でここまで被害の少ない状況は想像できず、戸惑いさえ感じています。それでも、被害がまったくないわけではありません。今回の緊急出動は、チームにとっては能登半島地震以来で、出動体制をあらためて考える良い機会になりました。明日からはまた、いつか起こるであろう災害に備えていきます」(田邊)

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広報:
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

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