JOURNAL #492020.12.09更新日:2023.10.24
医師:坂田 大三
空飛ぶ捜索医療団”ARRROWS”を応援してくださっている皆様、ご支援いただき本当にありがとうございます。
私共の大きな励みになっています。
私は医師の坂田大三と申します。
今回は、コロナ禍における外部支援者として被災地入りする私達が医療面で注意していることを一部ですが、2つ紹介いたします。
①健康管理
まず、質の高い活動を維持するためには、隊員の健康管理を怠ってはいけません。
私達は出動前に各隊員に健康管理表を渡し、予め予防接種歴やアレルギー、既往歴、心身の健康状態や治療中の現病を記載しておきます。
出動後には、自覚する症状、血圧/体温測定、睡眠時間、疲労感などを記入し、每日必ずチーム内の健康管理担当に報告を義務づけています。
個人的な経験では、5日目あたりから疲労が溜まってきていることを実感します。
そのため、チーム内でも適宜休憩時間をとらせたり、交代要員を派遣する準備を行なっています。
②感染管理
次に活動を行う際は、常にマスクを着用し、手指消毒を徹底しています。
各隊員は腰にアルコールスプレーをぶら下げて細めな手指消毒を行なっています。
もし現場で新型コロナウイルス感染症の疑い例を診察することになった時のために、感染防御具(N95マスク、フェイスシールド、ガウン等)を持参し準備しています。
また、コロナ禍における対応としては、超急性期に出動するメンバーは、結果が15分程度でわかる抗原検査を行って陰性を確認してから出動します。
そして、二次隊以降は唾液によるPCR検査を行う方針としています。
検査を行えば100%安全というわけではありませんが、上記、感染防御策と合わせ、可能な限り被災地にコロナを持ち込まない、感染しないよう努めており、隊員間でも認識を統一しています。
災害xコロナ禍における被災者と外部者の関係は、災害支援団体の中では現在でも活発な議論が行われています。
令和2年7月豪雨では「被災地外から支援者が入ることによってコロナを持ち込んでしまう可能性が高いから、被災地から来ないでほしい」と声が上がり、行くべきではないと被災県外からの支援を控える動きが多数をしめました。
しかし、大きな災害の場合、被災地だけで対応するには限りがあります。
コロナウイルスを100%防ぐことはできません。しかし、それを理由に支援をあきらめてはならないと思います。
誰一人として取り残されないように、私たちができる支援は何なのか、支援を通じて私達が地域に貢献できることは何か?いつもそのような事を皆で真剣に考えています。
一秒でも早く、一人でも多くの方に支援を届けるために。
引き続き空飛ぶ捜索医療団をよろしくお願いいたします。
Q:空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”のホームページがリニューアルしたことをご存知ですか?
A:12月9日にホームページが新しくなり、皆様に私たちの活動をより知っていただけるようなコンテンツを追加しました。
新しく追加したコンテンツは主に「活動の記録」、「ジャーナル」、「活動に参加」の3つです!
①活動の記録:これまでの活動を文章だけでなく、映像でまとめたダイジェスト動画がご覧になれます。
②ジャーナル:月2回、多職種が活躍しているから空飛ぶ捜索医療団のメンバーが多分野での支援や防災に関する記事を掲載しています。
③活動に参加:空飛ぶ捜索医療団としてともに活動を希望する方々の派遣隊員登録ができます。
今後も空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”は応援してくださる皆様に活動の様子を届け、必要な場所へ支援を届けていきます。
WRITER
医師:
坂田 大三
ピースウィンズ・ジャパン 空飛ぶ捜索医療団 医師 千葉県習志野市出身。外科専門医。 2019年2月から現職、バングラデシュ国ロヒンギャ難民キャンプ診療所運営に携わりつつ、平時は広島県の僻地診療所、災害時にはARROWS医師として現場へ派遣。
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