JOURNAL #542020.12.23更新日:2023.10.24
災害対応医療船 船長:杉本 陸
みなさんこんにちは。
日頃から私たちの活動にご理解と多大なご支援をいただき、ありがとうございます。
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”に新たに加わった災害対応医療船の船長をしている、杉本と申します。
3年前から船の運用に向けて準備を進めてきました。
今回は私の船乗りとしての想いや災害対応医療船の役割についてお話をします。
まず、私が初めて三陸沖を航行したのは、東日本大震災がおきて3年目の冬、実習生として練習船に乗っていたときでした。
夜航海、晴れ、月のない穏やかな夜。船は海面をすべるように進んでいました。
操舵室で海図と双眼鏡からの光景を見比べていると、どうにも違和感がありました。
夜、航海中に陸地をみると海辺の街は普段、光の水平線のように見えます。
しかしあるはずの灯は、どこにもありません。
こんなに穏やかな海が、あのすべてを飲み込んだのか・・・
改めて海への畏怖を感じつつ、私は広がる暗闇を見つめていました。
いち船乗りとして、できることをしなければならない。
どこか急き立てるような思いとともに、私は災害対応船をいつか作り上げると決意し、6年がたちました。
そして、空飛ぶ捜索医療団を運営するピースウィンズ・ジャパンに入職し、文字通りゼロからこのプロジェクトを進めてきました。
企画を立ち上げては作り直す日々…昨年はまる一年、アメリカの病院船NGOのミッションに参加し、医療船に必要な知見を学んできました。
●被災地支援における船舶の役割
船がもつ特徴は、大量輸送と自己完結性、海路を用いる機動力にまとめることができます。
いま、空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”が運用している災害対応医療船は、300人が7日間過ごす分の食糧と水、燃料を運ぶことができます。倉庫がまるごと動くというとイメージがつきやすいでしょうか。
また船の中には支援するスタッフが居住するスペースがあり、通信機を用いて情報を収集することも可能です。言わば移動する基地としての役割も期待されています。
もちろん嵐のなかで船を出すことはできませんが、ヘリコプターが飛べないような大雨や、災害時に必ず発生する渋滞にも左右されることなく目的地にたどり着く機動力を持ち合わせています。
どれだけテクノロジーが進んでも、被災地を支援する直接の力となるのは、現場にあるモノとヒトであることに変わりはありません。救える命をあきらめないために、私たちは陸海空すべての手段で被災地に辿り着くべく、準備をすすめています。
次の大災害までの見えないカウントダウンは、静かに進んでいます。
いまできることを、するために。
今後とも力強いご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
ただいま、災害対応医療船のクラウドファンディングを行っております。
こちらのご支援もよろしくお願いいたします。
https://donation.yahoo.co.jp/detail/925044
民間初の災害対応医療船「いぶき号」についてはこちらもご覧ください。
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Q:ふるさと納税でも活動を支援できることをご存知ですか?
A:広島県神石高原町のふるさと納税でコロナ緊急支援を支援することができます。
ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。
これまで、私たちは医療機関や福祉施設への医療物資支援など実施してきました。
今後も新型コロナウイルス感染症の終息に向け各地での支援を実施していきます。
いま、私たちのできることを一緒にしませんか。
詳しくはこちらから
WRITER
災害対応医療船 船長:
杉本 陸
国内での災害対応のほか、米国NGOが運航する病院船で1年間、航海士を務めた経験をもつ。 エンジニアリング×災害対応をキーワードに、より高度な被災地支援の在り方を目指す。
SUPPORT
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私たちの活動は、全国のみなさまのご支援・ご寄付によって支えられています。
一秒でも早く、一人でも多くの被災者を助けるために、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”へのご寄付をお願いいたします。