JOURNAL #642021.03.30更新日:2024.01.21
レスキュー隊 小隊長:田邊 圭
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”のレスキュー隊小隊長の田邊と申します。
レスキューチームの本拠地は、広島県の神石高原町にあります。人口約8,700人、標高約400~500メートルに位置する条件もあいまって、お米やピオーネ、マツタケ、神石牛といった美味しい食べ物が沢山あります。
そして、なんといってもレスキューチームにとって大切なことは、土地面積の8割以上が林野というの典型的な中山間地域に位置するため、訓練をするフィールドには事欠かないということです。
私たちは普段、神石高原町内にある「神石高原ティアガルテン」という施設の敷地を借りて訓練しています。東京ドーム3個分の広い敷地のおかげで、走ったりすることはもちろんのこと、10張以上のテントを設営し災害を想定した訓練や、フィールドホスピタルとしても使用する5メートル以上のエアテントを設営する場所にも困りません。それに山の中なら市街地では規制されているドローンも比較的自由に飛ばすことができます。
町内にはロープレスキュー訓練に適した斜面や崖、水害で使用するボートの操船訓練ができるダムや川といった自然を生かしたフィールドもあります。それだけでなく、廃校になった学校の体育館や、普段あまり使われていない施設も使わせてもらっています。
消防の訓練センターや防災センターといった施設のように、訓練に特化した設備があるわけではありませんが、町の中で豊富にある自然や既存の施設を生かしながら訓練しています。
訓練には医師や看護師、カメラマンも参加しています。彼らは、氷点下の中でのテント泊にも、船外機付きゴムボート操船や、激流の中での水難救助訓練にも参加します。これは、専門外の分野であっても災害現場では必要となる場面が出てくることを想定していますが、一番大きな理由は災害現場での危険を知っておくためです。
真冬に地震が発生すれば、現場でテント泊をすることも想定されます。氷点下でもしっかりと睡眠をとれなければ、長期にわたる活動はできません。水害で市街地が水没していた場合でも、そのエリアで活動をするならば、流水下での危険個所について知っておかなければ、自分達が被災してしまい兼ねません。そうならないよう、専門分野以外の訓練においても日頃から全員が参加し、知識・経験を得るよう努力しています。
近い将来起こると言われている南海トラフ地震や首都圏などの大規模災害を前に、私たちができることは訓練を行い備えることだと考えています。
「一秒でも早く、一人でも多く。」を合言葉に、もしも災害が起こった時には、いち早く駆け付けられるよう、そして一人でも多くの命を救うことができるよう、訓練に励みます。
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”を応援・ご支援くださっている皆様のおかげで災害に備え訓練することができています。引き続き皆様の応援・ご支援をどうぞよろしくお願い致します。
WRITER
レスキュー隊 小隊長:
田邊 圭
レスキュー隊員。東京農業大学卒。2014年からピースウィンズ・ジャパンでレスキュー隊員のほか、国内事業に携わる。2015年ネパール地震への出動のほか、熊本地震、九州北部豪雨などの過去15回、国内外での災害出動経験あり。
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