JOURNAL #1602022.05.18更新日:2024.01.21
レスキュー隊員:竹内 雅人
こんにちは!空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”レスキュー隊員の竹内です。
我々空飛ぶ捜索医療団の心得として「なんでもやる」があり、私自身もレスキュー活動だけでなく、緊急支援時の調整業務等も行なっています。
今回はこれまでの様々な業務の中で、新型コロナウイルスによるクラスターが発生した高齢者施設での調整員の活動についてレポートしたいと思います。
皆さんは「クラスター施設の支援」というとどんな事を思い浮かべますか?
医師による感染者の診察や、陽性になった看護師や介護士の代わりを派遣する事でしょうか?
実は私のような非医療者の調整員は以下の様な事を行っています。
・施設の状況整理、明示化
・施設の運営法人、行政側(管轄の保健所や県)への情報共有や要請
・施設内のゾーニング(感染リスクのあるエリアとそうでないエリアの区分け、視覚化
・施設スタッフに対する感染予防の正しい知識や個人防護具の着脱方法レクチャー
・物品の確認、整理
・掲示物作成
支援を開始するタイミングにもよりますが、多くの現場は混乱しています。何をしたらいいのか、いつまで今の状況が続くのか、わからないまま現場スタッフは目の前の業務に追われていることが多いのです。
そのため、まずは施設側から情報収集を行い、整理するところから始めます。いつから発生して、どんな経路を辿って感染が広がり、現時点で何名の陽性者がいて、常時に比べてスタッフが何名足りていないのか。それに対して何を行えばいつごろまでに施設の隔離解除がなされるのか、等です。
また、施設スタッフに代わりに行政側、又は施設の責任者に情報を共有し、不足している人員や物資の要請を行います。往々にして施設内でもコミュニケーションが足りていない場合が多いので、誰でも状況がわかるように明示したりもします。
情報の整理と同時に施設内の感染リスク毎のゾーニングやスタッフ毎に動線の分離を行い、感染リスクを極力減らすようにします(この際、入所者の状態や建物の構造、その他要因によって変更が難しい場合も少なくありません)。
さらにゾーニングと併せて、正しい感染症予防に関する知識や防護具の着脱方法のレクチャーも行います。入所者のお世話だけで手いっぱいの施設スタッフにとって、防護具の着脱は煩わしい事の一つですが、「ご自身やご自身の家族を守るため」と伝え、定着するまで繰り返し行います。
そして、私たちが支援を行う上で気を付けなくてはいけないことは、私たちが関わることで施設スタッフの負担が増えないようにすることです。
私たちのコロナ支援に関する達成目標の一つは「支援が終わってから万が一陽性者が出ても、施設自身で収束出来る力をつける」ことで、それに向かって医療従事者と調整員がチームを組んで様々な施設で伴走支援を行ってきました。
私自身も最初は医師の後ろに付き従う様に支援活動をしていましたが、今では”コロナ支援もできる”レスキュー隊員として自信を持って活動をしています。
WRITER
レスキュー隊員:
竹内 雅人
2013年からレスキューチームに参加を開始し、2017年に正式に入職。現在、国内事業部所属。国内外の出動、訓練参加を経験しているのが強み。レスキュー隊員の他、地方創生事業として観光施設の管理運営業務を行う。
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