JOURNAL #1652022.06.17更新日:2024.01.30

【ウクライナ】戦火をのがれ生きる人々の強さと優しさー診察のひとコマー

広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”を運営するピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、日本から医師、看護師、薬剤師をモルドバに派遣し、ウクライナ避難民の人々に医療を提供しています。
PWJの仮設診療所では、今まで延べ460人以上を診察してきました。今も、1日約20人が訪れています。
今回はご本人の許可を得て、私たちの診察風景を紹介します。

支援物資を受け取りに来た際に受診されたニーナさんは、後日、再び診療を訪れ、一切れのメモを手渡してくれました。
そこには、名前、キーウの自宅住所、連絡先が書いてありました。

「戦争が終わったら、キーウにある私の家に遊びに来てね」


写真:ニーナさん(左)と北川看護師(右)、支援物資を受け取る人の列(後ろ)

 

先の見えない戦争で、いつ自宅に帰れるか分からない中でも、未来に希望を持って力強く生き抜こうとする姿に、私たちが励まされる出来事でした。
私たち自身も、支援活動を続けるなかで、戦争の不条理さに無力感や憤りを感じることがあります。
ニーナさんとお話する中で、人々に寄り添う支援をすることが私たちの役割であると改めて感じました。

また、診療所には、避難を強いられたことで持病の薬が買えなくなった、急に血圧が上がった、眠れなくなったなどの理由で、受診する人も多いです。

ウクライナ南部のオデーサから避難してきたルドゥミラさんも、そのひとりです。オデーサから私たちが活動しているキシナウまでは、車で約4時間かかりますが、大きな問題なく避難できたそうです。
しかし、避難生活を送るなかで様々な困難に直面しています。

「モルドバでは、友人からアパートを借りていますが、家賃を工面できませんでした。もともと高血圧でしたが、その薬代も払えずにいました」

ルドゥミラさんはPWJの診療所を訪れ、高血圧を抑える薬を受け取りました。国連による現金給付の情報もお伝えしました。


ルドゥミラさん(左)、北川看護師(右)

 

患者さんたちは、自らの健康に不安を抱えているにもかかわらず、私たちの健康を気遣って温かい言葉をかけてくれます。それが私たちの日々の活動の原動力になっています。

本事業は、PWJがNPO法人ジャパン・プラットフォームによる助成および個人・法人の皆様のご支援を受け、地元モルドバの方々のご協力を得て実施しております。
引き続き皆様からの温かいご支援をお待ちしております。
https://krs.bz/pwjpr/m/arrows_supporter?e_1429=3

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