JOURNAL #772021.05.27更新日:2021.05.27

【新型コロナウイルス】岡山県「コロナ患者一時療養待機所」立ち上げ支援に当たった稲葉医師からの報告

空飛ぶ捜索医療団は、岡山県が設置した「コロナ患者一時療養待機所」の立ち上げに医療チームを派遣しました。
(詳細5月21日:https://arrows.peace-winds.org/news/emergency/n20210521/

立ち上げ支援に入った稲葉医師から、この待機所がどのような目的で設置され、どのようなことが解決できるか話してくれました。

岡山県でも、ゴールデンウイーク明けから急激な新型コロナウイルス感染症患者が増加し5月16日に緊急事態宣言が発令されました。
この日、私のもとへ岡山県より「コロナ患者一時療養待機所」を立ち上げるので、手伝ってくれないか、との要請がありました。
ここは、息苦しさや、体内の酸素飽和度が下がっても、入院するベッドが病院にないため、自宅療養やホテル療養を続けざるを得ない患者の増加に対応する施設となります。
医師と看護師が常駐し、酸素投与や点滴など応急的な療養を行うことができるため、夜間の救急搬送が困難な患者の受け皿としても期待されていました。 


シュミレーション時の様子


※待機所内部の様子

 
ゴールデンウイークに兵庫県のクラスター発生施設や自宅療養者への支援に入った経験から、病院へ入院できないこと、救急車の受け皿がないことの悲惨さは身に沁みて感じていたので、すぐさま要請に応えて医師1名、看護師2名、調整員2名の医療チームを派遣しました。夜間に入院調整が困難な急変患者を一時的に受け入れて、翌日の日中まで時間をかけて調整をすることで入院できる可能性が高まります。
また、入院できないまま状態が悪化していくことを予防できる可能性が高くなり、非常に重要な施設になると感じていました。


患者モニターを調整する看護師


救急車からの搬送

岡山県立精神科医療センター敷地内に設置された一時療養待機所では、酸素配管や必要な資機材の調達などが急ピッチで行われ、いよいよ病院のベッドが厳しくなった5月19日より試験的運用が開始されました。
しかし、肝心の医療スタッフ確保が最大のハードルであり、すでにギリギリの状態で対応している県内医療機関から急にスタッフを招集することは困難でした。私は5月19日から24日朝まで5日間、夜勤を空飛ぶ捜索医療団の看護師、調整員と担当し、計10名の新型コロナウィルス感染症患者の受け入れを行いました。
連日の夜勤は少し身体にこたえましたが、患者さんからの「お医者さんがいるところに入れてよかった。」という声や、行政担当者からの「非常にありがたいと感謝しています。」との声などに勇気づけられました。
また、何より1年以上にわたって闘い続けている医療機関スタッフの負担軽減に少しでも貢献できれば、との思いで、続けることができました。
我々の活動が岡山県の自宅療養患者の急変や最悪の事態を防ぐために、少しでもお役に立っていれば嬉しく思います。

2021年5月27日OHK 岡山放送で取り上げられました。
重症化リスクの高い患者を夜間一時的に受け入れ 待機施設運用スタート【岡山・岡山市】
https://www.ohk.co.jp/data/26-20210527-00000012/pages/

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