JOURNAL #2122023.03.13更新日:2023.03.16
■村の方々が通い慣れた元クリニックに診療場所を移転
トルコ・シリア地震発災から既に1ヵ月が経過。そんな中、嵐になる予報があり安全面を考慮してテントでの診療から、村にあった唯一のクリニックに場所を移しました。
被災前にこのクリニックを運営していた医師に、私達がこの村で活動していることを話すと、「村の人のために尽くしてくれて本当にありがとう。ここにあるものは何でも使ってください」と話してくれました。
被災地域全体で医師が少なくなったいま、彼も幾つかの村を診療で駆け回っていて、なかなかタニシュマ村には帰ってこられない状況だということがわかりました。
彼は私達にとても感謝し、快くクリニックを使わせてくれました。
また、クリニックへ荷物を運び込んでいると、どこからともなく近隣住民の方々が集まり、掃除・運搬などを手伝ってくれました。
ロスターの小里看護師は「私たちが助けに来たはずなのにトルコの人たちにいつも励まされている」とトルコの方々の人柄に感激していました。
彼らは、日頃からのかかりつけのクリニックが復旧することを知って感謝するとともにホッとした様子でした。
■子どもが多いタニシュマ村、リーダーの稲葉医師らが小児診療にあたる
医療支援を行っているトルコのタニシュマ村へ、空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”のプロジェクトリーダーである稲葉医師も派遣され、現地で診療にあたりました。
稲葉医師は「医療が十分届いていない地域があり、そういう小さなニーズにこそ応えるのがNGOとしての我々の役目。確実に医療を届けるために来た。災害医療と空飛ぶ捜索医療団が日本で取り組む僻地診療は似ているが、実際現場に来て違うのは子どもが多いこと。小児医療も含めて様々な処置が必要になる。実際にテントでの避難生活が続き、風邪や寄生虫などの感染症で受診する子どもや家族が増えている。一人の医者として、困っている患者さんの役に立ちたい」と話しました。
また、次いで登録派遣隊員として派遣された山田医師は、自身のお子さんが数週間前に生まれたばかり。
「ここにはまだ小さい子どもや、生まれて数日の赤ちゃんもたくさんいる。寒暖差も激しくテントでの生活はかなり厳しい。父親だからこそできることをしたい」と語り、トルコに送り出してくれた日本で待つ家族にも感謝をしていました。
これからも、医療が届かない地域の人々を支援するため、私達は活動を続けていきます。
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