JOURNAL #2002023.02.09更新日:2023.02.09
トルコ・シリア大地震発生から3日目。救助活動の生存率は「72時間」でぐっと下がると言われます。それだけに、この日、被災地では懸命な救助・支援活動が続けられました。空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”の派遣チームも、提携団体や多くの人々とともに、一秒でも早く、一人でも多くの人の命を救えるように全力を尽くしています。
トルコ・シリア大地震の死者は12,500人を突破。死者・負傷者ともに、このあとも増加を続け、死者は2万人を超えるだろうと言われています。
また、一命をとりとめた人たちも、およそ30万人がホームレスとなっており、2300万人が支援を必要としています(WHO)。SNSでは不確かな情報が錯綜するなど、人々の不安も広がっています。
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”のスタッフのうち4人は、提携団体GEAおよびスペインのチームと合流し、ハタイ県イスケンデルンの捜索現場に医療レスキューチームとして帯同しています。被災現場では救急車を呼んでも来られない状況だけに、医療チームの役割は重要です。
救助された方の治療に、また、救命活動にあたるスタッフの健康面でのサポートでも、医療スタッフの役割を果たしたいと坂田医師は語ります。
イスケンデルンへの道中では、造船所の化学燃料に引火して発生したと思われる大火災も目撃しました。火災の発生から時間がたった今も、黒い煙が空を覆っている状況。化学反応の影響なのか、水では消火できないとのことでした。
イスケンデルンの被害は大きく、右も左も大きな倒壊現場ばかりです。消火栓が破裂し、まるで湖のような大きな水たまりができた場所もあります。
どの捜索救助現場でも、厳冬の中、毛布に身を包み、心配そうに、あるいは涙を浮かべながら固唾を飲む被災者・ご家族の姿が多く見られます。
レスキュースタッフらもこの3日間で数時間しか寝ていませんが、地震発生から「72時間のリミット」が近づく8日深夜も、現地時間で午前3時現在でも現場に張り付き、必死の捜索・救助活動を続けました。
物資配付と支援ニーズのアセスメントを行うチームも、最も被害が大きかった地域の一つ、シリア国境沿いの町、ハタイへと向かいました。
事前の調査でも、ハタイの被災者からは、人々が物を燃やして暖をとっているが、地域によっては燃料や食料が尽きそうな場所もあるなど、不安を抱えて救援を待つ様子が伝えられていました。この日にやっと通行できるように復旧した道を通り、調査を行いつつ、毛布・水など物資配布を実施しました。
夜になるとハタイの町は真っ暗で、電気はまったく灯っていません。広範囲で停電が起きていることがうかがえます。また、舗装が壊れた道路も見られます。ひきつづき、翌日朝からも、ハタイの避難所や医療関係者を訪ね、ニーズ調査などを行う予定です。
スタッフも疲労がたまり、安全・健康管理にいっそう気を使いながら支援を行っていますが、被災者の方から「日本も地震の多い国だね」「日本人がトルコまで来てくれていることを心強く思う。本当に感謝している」などの声をいただくたび、日本から多くのみなさんのお気持ちを託されて現場に入っているスタッフに、熱い思いがこみあげます。
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