JOURNAL #2032023.02.13更新日:2024.01.30

【トルコ・シリア地震】「物資を取りに行けない」小さな町の人々に、必要な支援を

ハタイ県内で被害も大きく支援が集中している中心都市アンタキヤに比べ、アルスズは小さな都市です。しかし甚大な地震被害はここでも出ており、いわゆる「パンケーキクラッシュ」と呼ばれるぺちゃんこに崩れた家屋が市内の至る所で見られます。
 

 
アルスズにも大規模な物資集積所や軍が管理する配布所などがあり、国内外から衣類などの支援は相当量届いています。しかし、生活必需品は足りていないという印象でした。
さらに、アセスメントの中で見えてきたニーズ、それは郊外の民家で身を寄せ合い避難する人々にありました。
 

 
郊外の民家には今も30~60人の方々が住む避難所としての役割を持つ家が点在しています。家に損傷を受けた人々が安全な親戚の家に避難。甚大な倒壊被害の出ている近隣都市イスケンデルンから親戚のつてなどをたどりアルスズに来ている人も多いようです。
 


 

物資を運び込むスタッフ

 
アセスメントや過去の経験を踏まえて作成した「ファミリーパッケージ」を持っていくと、人々は喜んで受け取ってくださいました。「私たちは車を持っていないから避難所に行けないし物資も取りに行けない。こうやってたまにやってくる親切な人から物資をもらってなんとか生活してきた」と語る家族や、「今ここには30人も住んでいるから全員分の物資を集積場に取りに行くのは難しい。町からも遠いから私が行く頃にはいつも物資が品切れしてしまってるんだ」と言う方も。
 


 

 
今回はさらに現地コーディネーターに、郊外に住む被災者の中でも体が不自由な方々、障がいを持つ人の暮らす家を紹介していただき、社会的にも弱い立場にあり、物資を取りに行くことが難しい彼らの家庭に物資を届けることができました。
 
また、食糧や衛生用品だけでなく、今回はペットフードも支援しました。トルコは犬猫を飼う方も多く、被災しているのは人間だけではありません。家で猫が飢えていたというお母さんは、キャットフードの缶を見るや否やすぐさまそれを手に取り、大変喜んでくださいました。
 


 

 
人の温かみに触れたひと時。最後には抱き合い、口づけをし、ありがとうと手を握ってお礼を言ってくださる方たちばかりでした。
 

 
 
■物資の準備を手伝ってくれたのはトルコの人々
 
前の日、支援物資の梱包を手伝ってくださった方々がいました。
チームは、被災地で知り合った方のご親戚からお家の庭先をお借りして、物資のパッキングを行いました。
食料品と日用品 (衛生用品・ベビー用品・ペットフードなど) を100世帯分用意し、段ボールに梱包。膨大な物資を前に、夜遅くまでかかることを覚悟していましたが、親戚一同3家族計10人以上が協力してくれ、小さな子どもたちから家長のおじいさんまでがパッキングのために重たい支援物資の箱を梱包してくれました。
 

 
段ボールを組み立てたり、ゴミを回収したり、ロゴのシール貼りを手伝ってくれたのはセマナズちゃん9歳。「将来はお医者さんになりたい」という賢い彼女も、地震のニュースを見て怖くなったそう。「手伝ってくれてありがとう」と感謝を告げると「こんなのなんでもないわ!」と言って次の箱を作り始めました。
 


 

手伝ってくれた子どもたち

 
おかげさまでわずか3時間足らずでパッキングは終了。想定よりもずっと早く終了し、しかも私たちのために夕食 (トルコ名物のラフマジュンというピザのような料理) まで用意してくれたご家族たち。
「トルコ人の力はすごいんです」と言う、トルコ人通訳スタッフの顔はどこか誇らしげでした。
 

 
空飛ぶ捜索医療団は引き続き、地震の被害に遭われた方々の支援を続けていきます。
 

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