JOURNAL #2042023.02.14更新日:2023.02.14
2月13日、物資支援チームは物資配布とニーズ調査を兼ねて支援チームが拠点を置いている都市、アダナから片道5時間ほどかかるアドゥヤマンへ向かいました。
■アドゥヤマンの状況
数日ほど前からアデゥヤマンの状況が深刻であるとの情報を得た支援チームは、2日前に急遽医療チームを現地に派遣。倒壊による大きな被害はもちろん、未だ捜索すら十分進んでいない状況だということがわかりました。避難者は道端で寒さに耐えており、避難所設営や物資配布の調整もままならない、混沌とした壮絶な現場の様子が先遣隊から報告されました。
支援チームは、報告を元に、水や食糧・衛生用品の基本パッケージに加え、病院でのニーズとして挙げられた電気ストーブや子ども用おむつを持って被災した病院へ急行しました。
■判明したニーズ
被災病院ではテントが必要であると判明。建物が損壊、あるいは主要な柱などに亀裂が認められ、余震の危険性がある状態で施設を使用できなくなり、患者あるいは病院スタッフが寝泊まりすることができないためです。
病院駐車場には大きなテントが数張建てられ、段ボールやマットレスを敷いた上に患者が雑魚寝している状態でした。病院スタッフも1階事務所の一角に布団を敷き詰めてプライバシーも一切保たれていない環境下でどうにか休息をとっています。
■自力で避難生活をおくる人々の様子
比較的アクセスが難しかったことや、周辺地域の被害に対して支援が集中してしまったためか、未だアドゥヤマンの避難民に対する支援は滞っており、多く人々が自力での避難生活を余儀なくされています。「食料配布はこれまで一度しかなかった」と語る家族は、現在手作りのテントに避難しています。
標高600mを超える土地で、雪をまとった山々に囲まれるこの都市は朝晩の冷え込みが厳しく、防寒できる衣類を手に入れるため、危険を承知で倒壊した家屋へ取りに帰る人もいたそうです。
「先日政府の調査が入ったが、倒壊を免れた家でも、そのほとんどが柱へのダメージが大きすぎて住める状態にはないと判断された。いずれ私の家も取り壊される。だからテントに避難しているのに、支援はやはり家屋が倒壊した現場近くに集中する。同じ避難生活をしているのにここには物資が届かない」と悲痛な叫びが上がりました。
アドゥヤマン市内は他都市と比べても、発災から1週間後とは思えない混沌とした状態でした。
私たちは今回お話を伺った個人テントのご家庭や、新しく建設中で物資が枯渇しているという避難所に支援物資を提供し、わずかですが必要を満たすことができたかもしれません。しかし、まだまだ支援は行き渡っておらず、同地域の継続的な支援の必要性が強く感じられました。
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”は引き続き、地震の被害に遭われた方々の支援を続けていきます。
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