JOURNAL #3332024.04.19更新日:2024.04.19
空飛ぶ捜索医療団医師・看護師、ピースウィンズ事業調整員などからなる緊急支援チームは4月6日に現地に入り、直ぐに必要とされる支援の可能性について、避難所や被災した建物の住人に聞き取り調査を開始。
発災から2週間が経過した今、必要とされている支援についてお伝えします。
発災からわずか数時間で避難所の設営も完了するなど迅速な支援体制が報じられる中、その5日後の4月8日には政府が設置する避難所が縮小し、ほとんどの住人が親戚や知人宅などに身を寄せたり、住めると判断された建物に住んでいた人々は元の住まいに戻ったりする状況になっていることが分かりました。
そこから更に被災者を支援する台湾の民間グループなどにも聞き取りを継続する中、被災者の方々を取り巻く環境が見えてきました。
被災した建物は台湾政府が緊急で検査し居住可能かどうかの判定を受けます。
「居住不可能」と判定された建物については、周辺環境を考慮して取り壊し準備が行われていたり、家具や家電などの搬出などが行われていました。
取り急ぎ他の場所に避難していても多くの場合、そこに長く住み続けることは困難です。そこで現在、私たちは、安心して暮らせるための支援を現地行政などからヒヤリングしながら計画しています。
一方で、「居住可能」と判定を受けた建物の住人は元の住まいに戻ったり、部屋の損壊状況によっては更に他の場所へ身を寄せるなど被災者の方々を取り巻く環境は幅広く、それぞれの課題を抱えている様子が見られました。
きめ細かく状況を調査してみると、上記のようにそれぞれの世帯で異なる課題背景を抱えていることが明らかになりました。また、今回の地震で被災した多くの建物がアパートやマンションなどの集合住宅のため、建物別に見ても非常に多くの課題が生まれています。その上被災してからまだ2週間しか経過しておらず、精神的にも落ち着かない状況があります。
日本では避難所に身を寄せ、炊き出しや食料配布などが行われますが、早々に避難所が解散した今回の台湾花蓮地震の被災者の方々を取り巻く状況では、各建物の住人のニーズに応じた支援を個別に対応することが求められると判断しました。
まずは、様々な課題を抱えながら居住可能な建物に身を寄せ、食事を作ることが困難な世帯に、私たちは「お弁当」の宅配支援を開始しました。
花蓮県は元々台湾の中でも有数の観光名所です。そのため、観光産業が盛んな地域から観光客が途絶えてしまった今、地域の関連産業の側面支援を併せて行う必要があると考え、地元の飲食店からお弁当を作っていただき、必要数のお弁当を配布する流れを構築しました。
ある被災建物の住人へは、太魯閣国立公園周辺の飲食店からお弁当を配布していただくことが可能となりました。
被災地での課題は物資だけではなく、普段は地元の住人同士のコミュニティ内で支え合い問題なく暮らせていた人々が、被災したことでバラバラになってしまうことで支えをなくし、生活を送る中のあらゆる面で支障をきたすことがあります。
居住可能と判定された住人がお弁当の配布で顔を合わせ、今後の修繕や再建について情報交換などを行う機会が継続的に行われる機会になるなど、この地域住人の生活のベースを支えていた「コミュニティ」が、一つの「お弁当」支援によってバラバラにならずに済むことへの一助にもなります。
ピースウィンズはこのお弁当支援を継続しながら中長期での支援を視野に入れ、必要な支援を届ける準備をしていきます。
▽ 台湾花蓮地震 緊急支援特設ページ
https://lp.peace-winds.org/support_taiwan_earthquake
▽台湾花蓮地震 緊急支援(READY FOR)
https://readyfor.jp/projects/Taiwan
▽台湾花蓮地震 緊急支援(Yahoo!ネット募金)
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