JOURNAL #3812024.12.18更新日:2024.12.18

【能登半島地震から1年】震災から二度目の冬。家電支援で暖を届ける

石川県は、1月1日の令和6年能登半島地震による甚大な被害を受け、倒壊した家屋等の公費解体に取り組んできましたが、震災の影響で申請されていた16市町の公費解体見込み数は、9月の豪雨被害でさらに増加。公費解体棟の見込み数が想定を上回り、12月12日には見込み数を来年1月に見直すことを明らかにしました。

想定を上まわる公費解体の見込み棟数。仮設住宅建設の現状と課題

2024年6月28日珠洲市中央商店街にて。倒壊した家屋はほぼそのままの状態がほとんどだった
2024年12月14日小雨が降ったりやんだりする天候のなか、住宅街のいたるところで朝から解体工事が行われていた

珠洲市は雪に慣れていない解体業者へ休止を要請

空飛ぶ捜索医療団の主な活動地域である珠洲市は、雪に慣れていない県外からの事業者に対して、労働災害を防ぐために来年1月から2ヵ月間は公費解体の工事を休止するよう、県構造物解体協会を通じて要請しました。

ただし、解体工事の完了時期については、3月以降に工事の数を増やすなどして当初の予定どおり来年10月の公費解体完了を目指す計画です。

仮設住宅の建設状況が急ピッチで進められている

一方、本格的な冬を迎える今、珠洲市では仮設住宅の建設が急ピッチで進められています。市の発表では、建設予定とされている仮設住宅は全部で1,640戸。12月20日に完成が予定されている仮設住宅を含めると、年内に1,531戸が完成する予定です。

また、豪雨被害によって新たに仮設住宅への入居要望のあった100戸の建設については年明けの着工になるため、年末年始を避難所で迎える被災者の方もいます。

今年3月訪問した仮設住宅(珠洲市)

新入居を見越して暖房家具を事前準備、家電支援を継続

仮設住宅に入居した方への公的支援では「洗濯機、冷蔵庫、テレビ、エアコン」を対象としており、そのほかの家電は対象外となっています。

仮設住宅への入居者は、主に居住していた家が「全壊」判定を受けている方など、被害が大きいため家電をはじめ生活用品を買い直す必要のある方ばかりです。空飛ぶ捜索医療団は、公的支援だけでは担いきれない一方で、多くの家庭では欠かせない生活家電への支援を2024年3月から開始し、これまで建設型仮設住宅へ合計1,275世帯、みなし仮設(賃貸)住宅へ合計971世帯(2月13日時点)に届けてきました。

そして今年12月下旬に新しく仮設住宅に入居される方からの要望にすぐに応えることができるよう、ホットカーペットやこたつ、ファンヒーターなどの暖房器具を予め115世帯分の在庫を準備しました。

地域、家族構成だけではなく、季節ごとに変わる支援のニーズは、行政からの支援だけではどうしても「範囲外」とされる部分が出てきます。空飛ぶ捜索医療団は今後も行政との連携を強化しつつ、私たち民間団体だからこそ公的支援の手が届かない範囲も見極めながら、取りこぼしがないように「本当に必要な支援」を届けていきます。

※家電配付事業は、被災者の方々の生活再建を少しでも応援するため、ジャパン・プラットフォームの助成金を活用して行っています。

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