JOURNAL #4052025.03.03更新日:2025.03.06

3月3日【岩手県大船渡市 山火事 緊急支援】避難者の健康を守り、笑顔を届ける

広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

岩手県大船渡市にて発災した山火事は、6日目がたった現在も延焼を続け、防災ヘリと自衛隊のヘリコプター全15機が空から散水、地上からも各都道府県から参集した2000人を超える緊急消防援助隊が懸命な消火活動にあたっています。しかし連日、岩手県全域には乾燥注意報が発表されるなど延焼が止まらず、焼失面積は2100haまで拡大。現地にて支援活動を続ける空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”のスタッフからは「3日前に比べて白煙が確実に近くになってきている」との報告もありました。

感染症を予防するためにも段ボールベッドを設置

延焼にともない、避難者の数がさらに増えることが想定され、市はこの日、新しい避難所を開設。福祉避難所を含めた避難所は合計12箇所となり、およそ1200名が避難生活を送っています。このほかにも2400人を超える人が家を離れて避難生活を強いられ、なかには車中泊で不安な夜を過ごしている方も多く確認されている状況です。

空飛ぶ捜索医療団は、この日も市の保健師と連携しながら各避難所を巡回。血圧を測るなど避難者の健康を見守り、周辺の車のなかに避難している方をみかけたら、できるだけ声をかけるなどの活動を続けました。

避難所を巡回していたなかで、ある学校の体育館に開設された避難所では、避難者が床に毛布を敷いて寝ていることがわかりました。そのことを避難所の運営者に相談し、段ボールベッドの導入をすすめたところ、責任者の方がすぐに市に状況を報告して段ボールベッドを手配。その日の夜「段ボールベッドが届いたので、空飛ぶ捜索医療団さんに設置のお手伝いをお願いしたい」と連絡を受け、翌日の午前中に設営をサポートするために空飛ぶ捜索医療団のスタッフがふたたび避難所を訪れました。

避難者のなかには高齢者も多く、「段ボールベッドが入ったことで本当に楽になった」との声も聞かれました。

能登半島地震の支援でも大きな課題となった災害関連死を防ぐために、空飛ぶ捜索医療団は市と連携して、各避難所に段ボールベッドの導入を積極的に支援しました。段ボールベッドは、少しでも床からの冷えを和らげるとともに、感染症対策という役割も果たします。不特定多数の人が出入りする体育館内には、家と比べてほこりが床にたまって舞うこともあり、床に直に寝るとほこりを吸いやすく、呼吸器感染症を発症してしまうおそれがあります。段ボールベッドは、少しでも快適な環境を提供するだけでなく、こうした感染症予防策にもなり、災害関連死を防ぐことにもつながるのです。

同様に、感染症のリスクを少しでも小さくするために、マウスウオッシュなどが入った独自の衛生セットやマスクを配布するなど、避難者の健康を守るためにできる限りの対策を講じています。

たわいもない会話も大切に、避難者と向き合う

空飛ぶ捜索医療団のスタッフが総出で段ボールベットを組み立てていると、避難していたあるおばあちゃんが「うちの孫が手伝いたいんだけど、良いかしら?」と声をかけてくれたことをきっかけに、一緒に段ボールベッドを準備する場面もありました。

「あなたを段ボールベッド隊長に任命します!」
「了解!」

そんなたわいもない会話から、避難所にささやかな笑顔もみられました。

段ボールベッドをひととおり設置し終えると、隊長に任命された青年はお昼ご飯のお弁当を配る際にも積極的にお手伝いをするなど、避難所にいるみなさんは助け合いながら生活しています。

避難者の多くは、自分たちの家が被害を受けているのか確認さえすることができず、そのことが大きな不安とストレスにつながっています。

そうした厳しい環境のなかで生活する避難者に対して空飛ぶ捜索医療団は、健康状態を観察しながら感染症を予防し、少しでも快適に過ごせる環境を整えるだけでなく、避難者の方々と会話を交わすことで笑顔を届けることも大切にしています。

5日から6日にかけて、まとまった雨が降るとの予報もあり、現地では延焼を食い止める“恵みの雨”になることが期待されています。引き続き避難者が何を必要としているのか丁寧に聞き取りをしながら、できる支援、必要な支援を続けていきます。

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