JOURNAL #882021.08.12更新日:2021.08.13

【熱海土石流被害から1カ月】猛暑の夏、避難生活を支える「移動の足」と子どもたちへのサポート

静岡県熱海市で起きた大規模な土石流被害から1カ月以上が経ちました。厳しい暑さの中、今も行方不明者5人の方の捜索が続けられています。8月3日現在、熱海市内2カ所の避難所に約300人が身を寄せています。捜索活動の縮小によって立ち入り禁止区域が見直され、帰宅できるようになった住宅が増えていますが、被災した方々の生活再建をどのように支えていくかが課題となっています。

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7月5日から熱海市に入った空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”のCivic Forceは、被害のあった伊豆山地区周辺や避難所などで以下の支援活動を実施しています。

<移動支援>

IMG_20210804_221231.jpg◎避難所と学童を結ぶ「送迎ミニバン」

「避難所から学校や学童までの距離が遠く、子どもたちの送迎が大変」。避難所や伊豆山地区での調査の中でそんな声を聞き、7月19日から(日・祝を除く)、避難所と学童を結ぶ送迎車両を運行しています。地元企業の熱海第一交通株式会社と協力して、朝1回・夕2回合わせて3便のミニバンを運行。これまでに小学生延べ90人が利用しました。

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利用者のニーズに応える「タクシーチケット」

土石流被害の影響で交通手段にお困りの方を対象に、無料のタクシーチケット(1,000 円×6枚/1人)を配布しています。7月21日から浜会館と仲道公民館で、町内会の皆さんらと協力しながら配布を開始。その後、「避難所や岸谷地区でも配付してほしい」との声が寄せられ、さらに4カ所で配付しました。7月27日から8月2日までの利用者数は延べ102人。タクシーの運行に当たっては熱海第一交通(株)と協力しています。利用者からは「このチケットで持病の治療で通っている病院に行ける」「引きこもりがちだったが気持ちも明るくなった」などの声が聞かれ、さらに近隣の地区や一時帰宅のための活用についてもニーズが寄せられています。なお、タクシーチケットのアイデアは、2019年8月の佐賀豪雨の際、Civic Forceが佐賀県大町町で地域の企業とともに実施したタクシーチケット支援の経験が生かされています。

c8c598a5da36a3e84b17d9f5982e86e44_44231797_210725_4.jpg買い物の足をサポートする「往復バス」

国道の通行止めが続いていた7月23〜31日(日曜を除く)、土石流被害にあった伊豆山地区・七尾団地から隣町の湯河原までを結ぶ無償の臨時バスを運行しました。ニーズ調査に基づき、買い物スポットや公民館など8カ所に停車する往復便を1日1便運行し、足の不自由な方や高齢の方などに利用されました。利用者からは「支給されている弁当は油物が多く、野菜を買いたかった」「バスの本数が減り買い物へ行きにくくなっていたから助かる」などの声が届いています。運行に当たってはニコーバスと協力しています。

<学用品支援>

「土石流で学用品を失った」「一時帰宅で家の中を確認したけれど、もう使えない服や文房具があった」。そんな切実な声を受け、伊豆山小学校と熱海中学校の被災児童・生徒を対象に、体操着、ジャージ、靴など合わせて約90アイテムを支援しました。物資の提供に当たっては、教育委員会や学校、東豆学校生活協同組合、地元の学用品店などと密に情報交換しながら、一人ひとりが必要とする物資を提供しました。熱海中学校の出口貴之教頭先生は、「リクエストから迅速に届けていただき本当に感謝しています。生徒も喜びます心のケアの一助にもなると確信しています」と話してくれました。また、協力いただいた学用品店の方からも「体操着や通学カバンはもちろんですが、部活動で使う用品まで支援いただけたのは、生徒さんにとっての『希望の光』になると思います」と語ってくれました。

また、ヒアリングの結果、災害によるショックなどで心身の不安を抱えながら避難生活をおくる児童・生徒がいる可能性が見えてきたため、子どもの居場所支援などを専門とするNPOなどと連携・協力しています。

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<家屋の清掃・片付けサポート>

立入禁止エリアが緩和された関係で、21日から少しずつ現地でのボランティア活動が始まっています。熱海市災害ボランティアセンター(VC)によれば、7月15日時点で3790人の事前ボランティアが登録していましたが、活動エリアが狭いため、事前登録者のうち熱海市在住者を中心に毎日15〜20人程度が家屋の泥出しや清掃などの活動を続けています。Civic Forceは、災害VCの要請を受けて、各世帯に配布するヘルメット、ブルーシート、懐中電灯などを届ける予定です。

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<弁当支援>

土砂で寸断された浜町内会からの要請を受けて、7月10日と11日、手作り弁当215食を、近隣の公民館や熱海青年会議所などを通じて届けました。配布に当たっては、青年会議所など熱海市内で復旧に向けて尽力されている皆さんと連携・協力しながら進めています。

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<物資支援>

Civic Forceではこれまでに、熱海市の物資受け入れセンターや伊豆山地区の公民館、被災各地の物資拠点などに以下の支援物資を届けました。

マスク/アルコールジェル/肌着/氷/蚊取り線香/歯ブラシセット

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