JOURNAL #1742022.07.26更新日:2024.01.21

【ウクライナ危機】ロスター看護師から見た仮設診療所-問診の重要性-

広報:空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”を運営しているピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、ウクライナの隣国モルドバの仮設診療所にて避難民への医療支援活動を継続しています。
現地での医療支援は、登録派遣(ロスター)制度により、継続して医療従事者を派遣しています。これまでも看護師や医師、薬剤師を派遣してきました。
詳細:https://arrows.peace-winds.org/roster/

そして、5月初旬から約1カ月、坂本陽(さかもと みなみ)看護師がロスターとして現地で医療支援活動に参加していました。
 


空手のけがで受診した子どもを受付で問診する坂本看護師

 
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「今日はどうされましたか?」
私たち看護師は、診療所に来院された患者さんにまず、問診をしています。

毎日、医療を必要とするウクライナ避難民が訪れますが、医師が1人で診察・診断・処置しています。
円滑に進めるためには、診察前の問診で、情報収集することが重要です。
問診では、主な訴えや受診理由、バイタルサイン(体温、血圧、酸素飽和度)の測定、過去の病気、アレルギーの有無などの情報を聞きます。

受診理由として、頭や胸痛を訴える人が多数います。このような症状には、経過観察で済む場合から生命に関わる緊急度の高い病気まで、様々な原因が考えられます。私たち看護師は、症状の原因につながる関連情報を詳細に集める初期スクリーニングを行います。その後、適切な医療介入ができるよう、医師へ引き継いでいます。

そのため、患者さんとのコミュニケーションが重要です。言語の壁で、適切な医療介入が行えないといったことがないように、ロシア語・英語・日本語が話せるマリアのような現地スタッフとの協力が欠かせません。
 


坂本看護師(左)、現地スタッフのマリア(右)

 
詳しい情報をとりこぼさないように「相手から聞き取る」
日本語の難しい医学用語をわかりやすい言葉に置き換えて「相手に伝える」
これが、相手のニーズに合わせた医療を提供するために大変重要です。
ひとりでは不可能で、国や職種の垣根も超えて、お互いの強みを活かして協働することが求められていると再認識しました。

私は看護師ですが、看護師になる前に決心していたことがあります。
それは、「全世界中、どんな場所で、どんな状況でも、どんな人に対しても、助けを必要としている人がいる限り、どこへでも飛んでいき、手を差し伸べる人材になる」というビジョンです。
今回のモルドバへの派遣は、まさにその道への大きな第一歩でした。

私の人道支援の道は開かれたばかり。
日本に帰国してからも、自分にできることは何かを常に考えながら、日々を過ごしていきたいと思います。
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空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”は、引き続き、モルドバの仮設診療所へ日本から医療従事者を派遣し、ウクライナ避難民の方々が、少しでも健康で安心した避難生活を守れるよう、支援活動に尽力します。
https://krs.bz/pwjpr/m/arrows_supporter?e_1429=3

WRITER

広報:
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" 編集部

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