JOURNAL #2652023.10.18更新日:2024.01.30
10月7日から続くパレスチナ・イスラエル間の武力紛争で、ガザ地区はイスラエル軍による激しい空爆に晒されています。加えて、イスラエルは水、電気、燃料、医薬品、食糧など全ての生活必需品のガザ地区への搬入を止めているため、220万人以上が住むガザ地区では、その規模・質ともに未曽有の人道危機が引き起こされています。ピースウィンズは、ガザにいる2人の同僚、サミーラとハデルに毎日連絡をとり、安否確認を続けています。
電気もないためにインターネットはもちろん携帯電話による通信事情も悪いのですが、同僚の1人サミーラは、自宅マンションの屋上にある太陽光パネルから携帯電話の充電ができたからと、14日にはいつもよりもゆっくりと話をすることができました。
その会話中、ガザ中部アル・ブレイジ地区にある養鶏場では、飼料不足に陥って餌も水も鶏にあげることができなくなってしまい、飼育している鶏を翌15日には何とかしなくてはいけなくなったとの話題になりました。爆撃による破壊や物資不足により、農業、漁業、養鶏などに従事する多くの人々の生計手段が奪われていることは、国連の報告書でも目にしたばかりでした。一方、その養鶏場の周辺にも、爆撃に晒され経済的にも極めて厳しい多くの困窮家庭が必死に生きています。そこで、急遽その養鶏場に残っている1000羽の鶏を買い取り、地元アル・ブレイジ地区の困窮家庭に鶏肉を配布する緊急支援を決めました。
翌15日は幸運に恵まれて、比較的空爆が少なく、地元の業者が鶏を捌き、7名のボランティアが各家庭に鶏肉を届ける作業をてきぱきと進めて、その日だけで960羽を、残る40羽も16日には配り終わりました。
鶏肉1羽で3~4人分になるそうで、家庭の人数に応じて2~3羽分の鶏肉が約450世帯に配られました。ほとんどはアル・ブレイジ地区に住む困窮家庭ですが、少数ながら近隣のマガージ地区とヌセイラット地区の家庭にも配られました。経済的に厳しい家庭に加えて、避難してきた人々を受け入れている家庭も対象に含められたそうです。
皆さまの温かいご善意は、この未曽有の危機を彼らが何とか生き抜く支えになります。本当にありがとうございます。
そして、これからもガザ地区のパレスチナの人たちを応援していただければ幸いです。
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