2023.08.29
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【ハワイ・マウイ島山火事】看護師が現地で見た長期の “グリーフケア” の重要性
マウイ島に派遣された空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”の町田看護師が、10日間のハワイ・マウイ島での活動を終え帰国しました。
今回の派遣の目的は、避難所や医療センター、地元保健局などを周り、被災者に対する医療サービスの現状を調査し、資金/人手の足りていない場所を探ることでした。
その中で被災者の声に耳を傾けてきた町田が感じたのは、長期的な “グリーフケア(Grief Care)” のニーズ。すなわち、家族や友人との死別などで、深い悲しみを抱える人々への心理的なサポートです。
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”を運営するピースウィンズは、地元の子ども支援団体と連携し、想像し難い悲惨な現場を経験してしまった子どもたちが、再び元気に前を向けるよう、中長期にわたるグリーフケアのプログラムを計画しています。
「今回の災害で多くの方が亡くなり、ラハイナの街そのものが焼失しました。大人ももちろんですが、特に子どもたちが受けた心理的な傷の影響が懸念されます。それは東日本大震災などを経験した日本人だからこそより実感すること。悲しみや不安を受け止められず適切に表現・対処ができないと、やがて深いトラウマになってしまい、その傷は一生その人を苦しめます。悲しみや不安の“芽” の段階で、 “心理的応急処置(PFA/Psychological First Aid)” になるような子どもたちへのプログラムが必要です」
「マウイ島には現在、大勢の医療チームが米国内から駆けつけており、災害時の対応としては “さすがアメリカ” と感じることも多々あります。現段階で無理に我々が介入して現場の負担を増やすよりも、今は一歩引いて他の支援を支えつつ、いざ問題が発生した時にすぐ動けるよう関係性を構築することが大切です。喫緊の医療者/医薬品のニーズは認められずとも、誰もが避難生活の長期化を覚悟しており、 数ヵ月先の支援状況については不安を抱えているからです。長期の “グリーフケア” やペット支援など、私たちに出来ることをカタチにしていきます」
帰国前、被災地に作られた献花台を訪れた町田は、ここで命を落とした多くの犠牲者、そして残された人々への想いを胸に静かに手を合わせました。
私たちは、これからも被災者のための支援を続けていきます。
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