2023.07.25

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「肝炎に苦しむアフリカの人を、日本の医療で救いたい!」クラウドファンディングを開始

空飛ぶ捜索医療団を運営するピースウィンズは、多くの肝炎患者を抱えるアフリカ最貧国のひとつであるブルキナファソで検査体制などを支援する新規事業を開始しました。
2023年7月21日(金)には、坂田医師が、ブルキナファソの現地患者団体代表や、アフリカで肝炎対策に取り組むパスツール研究所の島川祐輔医師らと共に厚生労働省で記者会見を行いました。

そして7月25日(火)、ピースウィンズはブルキナファソに肝炎の検査に必要な機器「フィブロスキャン」を贈る資金を募るクラウドファンディングを立ち上げました。

クラウドファンディング「肝炎に苦しむアフリカの人を、日本の医療で救いたい!」

 
かつては、日本でも、ウイルス性肝炎は「国民病」と言われていました。B型肝炎、C型肝炎のウイルスに感染した人はとても多く、肝硬変、肝がんの約8割は、これらの肝炎ウイルスが原因でした(飲酒が原因は約1割)。
この状況を改善するため、日本では1980年代から肝炎対策が進められ、今では、母子感染防止、治療費助成、治療や検査を促すコーディネーターの配置など、世界でもトップクラスの肝炎対策がとられています。治療法の劇的な進化もあり、早い段階で感染を見つけて治療をすれば “命を落とす時代ではなくなった”と言われるようになりました。しかし、アフリカには、今でも、同じ病気で、同じように苦しみ、惑う人々がたくさんいます。

適切な医療さえあれば救える命が失われる「未治療死」。
大規模災害の現場で目指すものと同じく、アフリカの感染症への対策においても未治療死をなくしたい、患者の苦しみと病の克服の歴史を知る「日本の医療」で救いたいと、私たちは考えています。
どうか、このプロジェクトに皆さんのお力をお貸しください。

■目標金額:500万円
■目標金額の使途および実施内容:検査に必要な機材「フィブロスキャン」を購入し、国立のムラズ研究所に寄贈します。
※本プロジェクトは、支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、目標金額分を自己負担するなどして、必ず上記の実施内容の通り実行致します。

※フィブロスキャン検査:身体の表面に当てて、そこから振動と超音波を出し、その反応を分析して、肝臓の硬さ(線維化)を測定する検査。線維化が進んでいる肝臓は、たとえウイルス量が少なくても、がんを発症しやすく、治療が急がれる。


厚生労働省でおこなわれた事業開始についての記者会見の様子

 
プロジェクトに参加する空飛ぶ捜索医療団・坂田医師のメッセージ
かつて日本では感染率が激減した寄生虫が、バングラデシュの難民キャンプで人々の健康に影響を及ぼしているのを目の当たりにしました。そのときは力及ばず対策を実行するまでに至りませんでした。
今回、肝炎のスペシャリストの方々とこの事業を開始する機会に恵まれ、再度、“本来助かるはずの命を助ける“ための事業にチャレンジすることができます。現在、ピースウィンズでは災害時の未治療死を防ぐという社会課題に取り組んでいますが、本事業でもまさに未治療死を防ぐ大きな大きな野望をもって取り組んでいきます。

 
最初の一歩として検査機器「フィブロスキャン」の寄贈
環境や文化も異なるブルキナファソで事業を成功させるには、日本の取り組みをそのまま持ち込むことはできません。そこで、まずは、現地にピースウィンズの医師を含むチームを派遣し、B型肝炎の予防・検査・治療をすすめるための人材養成や、資源が不足している医療・保健システムの強化支援事業のための現地ニーズ調査を行います。
同時に、国立ムラズ研究所に検査機器「フィブロスキャン」を持ち込んで寄贈し、トレーニングを実施し、肝炎治療センターを運営する「アソー・エパティット」など2つの現地NGOとともに、肝炎検査の体制を整備します。フィブロスキャンは、1日に約100人の肝炎患者を検査できます。B型肝炎そしてC型肝炎の抗原・抗体の簡易検査と組み合わせることで、救える命の数は、ぐっと大きくなるでしょう。


ブルキナファソから来日したカニア博士・サノンさんとピースウィンズの事務所にて

 
皆さまのご支援でできること
・フィブロスキャン購入(約500万円)
・ブルキナファソへの渡航
・その他、当プロジェクトにかかる諸経費等

ブルキナファソで、かつての日本とまったく同じことが起きている
今も、アフリカやアジアなどでは、ウイルス性肝炎によって、かつての日本と同じ苦しみや悲しみが広がっています。そして、肝炎対策の先進国である日本ならば、その経験や技術を活用して、日本のNGOならではの支援をすることができます。島川祐輔医師だけでなく、国内の複数の肝臓専門の医師からもご協力、そして多数のアドバイスをいただいています。

どうか、皆さんも、かつての日本の「国民病」=B型肝炎やC型肝炎といった、ウイルス性肝炎で苦しむアフリカの人たちを「日本の医療」で支えていくピースウィンズの新しいプロジェクトへ、応援をよろしくお願いいたします。

 
記者会見の様子が医療従事者向けメディア「m3.com」で報道されました▼
https://www.m3.com/news/open/iryoishin/1153725

※これまでのブルキナファソでの活動と継続的なご支援については、こちらをご覧ください。

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