JOURNAL #3652024.09.23更新日:2024.09.24

【令和6年9月能登半島豪雨】相次ぐ災害に混乱する奥能登。今、被災地に必要なもの

今年、1月1日に発生した令和6年能登半島地震により甚大な被害を受けた奥能登地方に9月21日、線状降水帯が発生。午前中から激しい雨が短時間で集中して降り続き、珠洲市、輪島市、能登町には最大級の警戒が求められる「大雨特別警報」が発表されました。市は、全戸に「避難指示」を発令。珠洲市内では19の避難所が開設され、初日は300人以上の方が避難所にて一夜を過ごしました。

広がる計り知れない不安

市内では、道路が冠水し、仮設住宅も含めた多くの家屋が浸水被害に遭い、一部エリアでは停電と断水が発生。各地で土砂災害も報告され、土石や倒木が道路を寸断し、孤立集落があらわれるなど、被害は広まっています。

空飛ぶ捜索医療団は、1月から現在も珠洲市内に活動拠点を設け、災害関連死を防ぐために避難所、仮設住宅の支援のほか、戸別訪問なども行いながら一人ひとりに寄り添った支援を続けてきました。

8月、9月に入ってようやく避難所から仮設住宅に入居した方も多く、まさに「これから、少しずつ」復興に向けて一歩を踏み出していこうとする矢先の今回の豪雨被害。震災で甚大な被害を受け、何ヵ月も断水の生活を堪え忍び、少しずつ光が見え始めていた被災地にとっては、実際に目に見える被害だけでは計り知れない深い不安が広がっています。

安否確認に奔走し、避難所支援を開始

9月21日の豪雨被害を受け、空飛ぶ捜索医療団の現地スタッフは今年1月からこれまでの支援活動で築いてきたネットワークも最大限に活用しながら、各避難所や仮設住宅、戸別訪問した方々の安否確認に奔走。消防と連携し、在宅避難者を安全な場所に搬送する支援も行いました。

22日には、広島県神石高原町の本部より応援部隊が出動。現地と綿密に連絡を取りながら必要な物資を調達して珠洲市に入り、支援活動を開始しています。

現在、急務とされているのが、断水しているエリアへの飲料と非常用トイレの支援。また、急遽開設された避難所では、段ボールベッドや簡易テントなどが求められました。断水がふたたび発生したことから、現段階ではまだ復旧の目途が立たず、避難生活の長期化も予想されます。

こうした状況に対し、空飛ぶ捜索医療団は各所から物資を調達・調整しながら必要な場所へ必要な支援を届けています。

ヘリコプターにて孤立集落4名の高齢者を搬送

9月23日には、珠洲市からの協力要請を受け、広島県神石高原町の本部よりヘリコプターを出動。土砂や倒木が流れ込んで道路が寸断され、孤立した仁江地区に取り残された4名(60~80代の女性2名、男性2名)の救出に向かいました。

市、県とも連携し、孤立集落近くの道の駅から珠洲市の中心部近くまで無事搬送。4名とも特にケガなどはないとのことです。県の防災ヘリコプターもフル稼働しているなか、一秒でも早く孤立した方を救うために、今回は官民が連携して市から空飛ぶ捜索医療団に協力要請がありました。こうした迅速な支援活動は、1月の震災の経験が生かされたといえます。

「誰がこんな試練を与えるのか」

1月から珠洲市にて支援活動を続ける空飛ぶ捜索医療団の現地責任者、橋本笙子は、被害の発生から3日経った現在もまだ全容がつかめきれず、「誰がこんな試練を与えるのか……」と言葉を詰まらせます。

空飛ぶ捜索医療団は、引き続き不足する物資を必要なところに届けながら衛生面も含めた避難所の環境改善に努めると同時に、今後はどのように精神的に被災地を支えていくかが大きな課題になります。

能登には今、希望が必要です。空飛ぶ捜索医療団はこれからもニーズに合わせて必要な支援を、一人ひとりに寄り添った支援を被災地にて続けてまいります。

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