JOURNAL #3612024.08.27更新日:2024.08.27

土砂災害はなぜ起きるのか?過去の被害から学ぶ課題と教訓

ライター:大久保 資宏(毎日新聞記者)

2024年1月5日 令和6年能登半島地震 輪島市鵜入町ヘリ調査より

豪雨災害や地震災害が毎年のように繰り返されています。最近では松山や秋田、山形、岩手などで相次ぎ、地震も1月の能登半島地震(最大震度7)、8月には南海トラフ巨大地震を想起させる最大震度6弱が宮崎・日向灘で発生するなど頻発しています。

大雨や地震などによって引き起こされるのが「土砂災害」です。この10年間で1万4,990件、犠牲者は375人にのぼり、増加・激甚化の傾向にあるとされています。背景には何があるのでしょうか。予測困難なこの災害からどうやって身を守ればいいのでしょうか。

本記事では、土砂災害の原因や過去の事例のほか、ご自身でもできる対策についてご紹介します。

土砂災害とは

土砂災害の種類

土砂災害は水害の一種で、地震や大雨、豪雪、融雪、火山噴火などによって土砂が人や建物に襲いかかる災害です。傾斜がなければ起きず、人が住んでいなければ災害にはならないため、土砂災害が発生するのは、人びとが生活する傾斜地やその周辺ということになります。

土砂災害は、大きく3つの現象に分類されます。

①がけ崩れ
急傾斜地が崩れ落ちる現象
②地すべり
地盤がすべり落ちたり、移動したりする現象
③土石流
山腹が崩壊し、土石が雨水などと一体となって流れ出す現象

土砂災害は、1965年以前は「山地災害」と呼ばれ、山でまれに起きる現象でした。高度経済成長期に入って各地で宅地造成が進み、斜面崩壊などが都市周辺で多発したことから「土砂災害」に名称変更されたといいます。

過去に日本で起きた大規模土砂災害

土砂災害の発生件数の推移を表したグラフ
参照:国土交通省の集計より

内閣府の調べでは、過去10年間(2011~20年)に98%の市町村で河川の氾濫や浸水、土砂災害が起きています。とりわけ土砂災害の発生件数は年間平均約1,500件(2014~23年)で、自然災害による死者・行方不明者数の約4割を占めます。

以下に、日本で起きた大規模な土砂災害をまとめてみました。

発生年災害名発生場所土砂災害による死者・行方不明者数被害状況・特徴
1982年7月長崎大水害長崎215人・同時多発的に大規模な土砂災害が発生。国道34号の寸断、河川への流入など甚大な被害に
・死者・行方不明者の72%は土砂災害による犠牲者で、この災害が契機となり翌83年に土砂災害防止月間を制定
1991年6月雲仙普賢岳災害長崎県島原市、深江町など43人・前年の11月、雲仙・普賢岳は198年ぶりに噴火活動を再開。91年6月3日、火砕流により大勢の犠牲者が出た
・噴火活動は、95年まで約4年半続いた
1993年7月北海道南西沖地震奥尻島など32人・巨大津波が地震(最大震度5)発生の5分後に襲来
・奥尻町では土砂崩れでホテルが埋まり、宿泊客と従業員の計41人のうち28人が犠牲に
1995年1月阪神大震災兵庫など40人・兵庫県西宮市で起きた地すべりで34人、がけ崩れなどで6人が犠牲に
1999年6月広島豪雨広島32人・新興住宅地を襲った都市型土砂災害で、土砂災害防止法制定(2001年)のきっかけとなった
2004年10月新潟県中越地震新潟62人・最大震度7の地震で、道路やライフラインが寸断され天然ダムを形成
・山古志村を中心とする山間部で3700カ所を超える地すべりが発生し、60以上の集落が孤立
2008年6月岩手・宮城内陸地震岩手、宮城など18人・降雨がないのに土石流が発生
2009年7月中国・九州北部豪雨山口県防府市など21人・豪雨で土石流が発生し、下流域そばの老人施設が被災。入所者7人が死亡
・防府市では死者14人のうち13人が高齢者(65歳以上)
2011年3月東日本大震災宮城など19人・土石流等13件、地すべり29件、がけ崩れ97件、及び集落雪崩2件の計141件発生
2011年9月台風12号和歌山、奈良など62人・和歌山県田辺市などで岩盤ごと崩れ落ちる「深層崩壊」と呼ばれる土砂崩れが発生。400~500m離れた場所にまで被害を及ぼすのが特徴で、多数の民家が押しつぶされた
2013年10月伊豆大島土砂災害(平成25年台風26号)伊豆大島39人・土砂や立木が水と一体となって大きなエネルギーを保持したまま住家区域や下流域に到達
・避難勧告が発令されなかったうえに真夜中の豪雨とあって逃げ遅れるケースが目立った
・山腹の斜面と住家の距離が近く、多量の泥水と流木による土石流が襲いかかった
2014年7月長野県南木曽町読書土石流災害長野1人・大雨情報などの気象情報が発表される前に土石流が発生
・土石流災害の経験から防災意識が高かったが被害を免れず
2014年8月広島土砂災害(平成26年8月豪雨)広島市など77人・土石流災害107件、がけ崩れ59件発生
・1999年の広島豪雨の教訓から2001年に土砂災害防止法を制定。全国の自治体はハザードマップを作り住民に知らせる仕組みを作ったが、被災地区のハザードマップは未完成だった
・都市開発が進み、山の斜面近くの住家などが被災
・真夜中の豪雨(午前1時から4時にかけて最大雨量100m超)で避難の遅れが目立った
・集中豪雨によって100カ所以上で土石流があり家屋約400棟が全半壊、1万人以上が被災
・砂防堰堤などの防災施設がないなど土砂災害対策が不備
・土砂災害警戒区域、同特別警戒区域の住民の多くが犠牲に
2016年4月熊本地震熊本、大分15人・土砂災害は190件・阿蘇では降雨がないのに斜面崩壊がそのまま土石流へ移行・阿蘇山の火砕物堆積部では緩勾配の斜面でも地すべり発生
2018年6-8月西日本豪雨(平成30年7月豪雨)広島、岡山、愛媛など119人・平成最悪の豪雨災害
・降雨824億㎥は琵琶湖の貯水量の約3杯分に相当
・広域かつ同時多発的に河川が氾濫しがけ崩れが発生
・土砂災害による死者
・行方不明者の約9割(94人)が土砂災害警戒区域内で被災
・岡山県倉敷市真備町では死者51人の8割が70歳以上
2018年9月北海道胆振東部地震北海道厚真町など36人・最大震度7の地震で土砂崩れが多発。斜面崩壊面積13㎢は明治以降国内最大規模
・北海道のほぼ全域で停電(ブラックアウト)
2019年10月東日本台風(令和元年台風19号)福島、宮城、神奈川など18人・台風被害としては195年の統計開始以来最多となる952件の土砂災害が発生
・犠牲者の7割は土砂災害危険箇所か浸水想定域におり、3割はリスク想定外の場所にいた
2020年7月令和2年7月豪雨熊本、大分、岐阜など16人・10県で計86人の死者・行方不明者
・岐阜・飛驒川の増水で下呂市内の国道41号が約500mにわたって崩落
・29日もの豪雨期間(7月3~31日)は、気象庁が命名した大雨災害としては過去最長。これまでの最長は、平成26年8月豪雨の28日間だった
2021年7月熱海市伊豆山土石流災害静岡県熱海市28人・大量の土砂が山肌を流れ下り、建物被害は137棟に・上流山間部の違法盛土が崩壊し被害が拡大
・遺族らは盛土のあった土地の所有者を刑事告訴
2024年1月能登半島地震石川など39人・土砂災害は456件で、約2300人が孤立
・倒壊・流失するなどした建物37カ所の8割以上は土砂災害警戒区域内

いったん土砂災害が起きると、復旧・復興までにかなりの時間を要します。たとえば、十勝岳噴火(1988年)では約130日、雲仙普賢岳災害(91年)は約1,500日、三宅島噴火災害(2000年)は約4年半、住民たちは避難生活を強いられました。

土石流が発生しやすい場所

ハザードマップ|土砂災害
出典:国土交通省|ハザードマップポータルサイト

土石流の発生する恐れのあるところが「警戒区域」で、「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」があり、都道府県知事が指定します。

土砂災害警戒区域は、住民の生命または身体に危害が生ずるおそれがある区域で、全国に69万4,820カ所(2024年6月末現在)。土砂災害特別警戒区域は、土砂災害警戒区域のうち、建築物が損壊するなど住民の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがある区域で、全国に59万6,824カ所(同)あり、一定の開発行為が制限されたり、建築物の構造が規制されたりします。

【参照】土砂災害警戒区域等の指定状況(令和6年6月末時点)

なぜ土砂災害は都市部で頻発するようになったのか

土砂災害が頻発する5つの主な原因

近年、土砂災害は山間部だけでなく、都市部でも頻発するようになりましたが、なぜなのでしょうか。その要因として、以下の5つが考えられます。

①山を切り開く宅地造成

原因のひとつが、国土の約7割が森林という日本特有の地形にあります。国土交通省によると、全国土面積の約10%(約3万8,000平方キロメートル)にあたる洪水氾濫区域に、全人口のおよそ半分の5,894万人が住んでいます。

戦後、人口増とともに宅地造成が各地で進められ、農地や遊休地が激減しました。地面が浸透性の乏しいアスファルトやコンクリートで覆われたため、大雨が降ると吸収されずにあふれ出し、土砂災害を起こします。

急傾斜地での宅地開発に対し、地質学者たちは早い段階から警鐘を鳴らしました。しかし大きな地震もなく、高度経済成長に沸く声にかき消され、開発は続きました。

高速道路でも地すべりや法面崩壊、盛土の流出が発生するなど、高度経済成長は繁栄をもたらす一方で、土砂災害を招きやすい国土を作り上げてきたといえます。

②軟弱な地盤

一例を挙げると、広島土砂災害の現場の山の斜面は、もろくて崩れやすい真砂土(花崗岩が風化)が広く分布していました。そこにバケツをひっくり返したような雨が降ると一気に崩れます。

③放置され荒廃する山林

外材の普及でスギやヒノキなどの人工林は放置され、間伐や砂防工事なども十分になされないケースが多く、災害時には巨大な流木が大量発生して被害を拡大しています。釜井俊孝・京都大名誉教授(応用地質学)は「木の使いすぎによる危機ではなく、木を使わなくなったことによる歴史上初めての危機を迎えている」と指摘します。

④豪雨、地震、火山が多い

地球温暖化に伴う気候変動の影響でゲリラ豪雨が相次ぎ、地震も多発。さらに日本には活火山が110もあり、噴火すれば火砕流や溶岩流、泥流が発生し、噴火がおさまっても降り積もった火山灰が土石流を誘発します。

⑤盛土や擁護壁の老朽化

自然の猛威に対して住環境はどうでしょうか。高度経済成長から半世紀以上を経て、造成地の盛土や擁護壁の老朽化が進み、被害拡大の主要因になっています。災害が増えるなか、宅地やその周辺の災害耐性は弱まっているといえます。

過去の土砂災害から学ぶ課題と教訓

2018年北海道胆振東部地震にて救助活動を行う隊員と救助犬

これまで多くの土砂災害が、私たちの日常に襲いかかり、さまざまな課題を突きつけてきました。

都市型土砂災害

長崎大水害(1982年7月)=死者・行方不明者299人(土砂災害262人)

都市インフラを破壊する都市型災害の原点とされます。1時間雨量が80mmを超えると、息苦しくなるような恐怖を感じますが、1時間約100mmの猛烈な雨が局地的に約3時間降り続け、長崎県長与町では国内観測史上最高の1時間187mmを観測。土砂災害が多発し、死者・行方不明者299人のうち約9割の262人が土石流やがけ崩れなどによるものでした。

この水害を契機に翌83年から毎年6月を「土砂災害防止月間」として各地で防災訓練などが行われ、気象庁は数年に1度程度しか発生しないような大雨に関する「記録的短時間大雨情報」の運用を始めています。

火山噴火

雲仙普賢岳災害(1991年6月)=43人(43人)

198年ぶりの噴火による大火砕流が時速約100kmの速さで火口から約4km離れた市街地まで達し、消防団員や報道関係者らの命を奪いました。

火砕流は、96年6月の終息宣言までに計9,432回観測され、多くの森林が焼失。周辺は東京ドームの約140杯分相当の土砂・火山灰が堆積して雨水が地中に浸透しにくくなり、わずかな雨でも土石流が頻発しました。

孤立

新潟県中越地震(2004年10月)=68人(62人)

この年は台風が過去最多の10個上陸し、新潟県中部はもともと地滑りの発生しやすい地形のため、いっそう地盤が緩み、土砂崩れが多く発生。鉄道・道路が約6,000カ所で分断、60以上の集落が孤立し、山古志村では、全村民を対象にしたヘリによる救出活動が行われました。

災害時に孤立する可能性がある集落は、全国に約1万7000カ所あり、内閣府は、情報通信手段の確保や救助・救援体制の整備、自立のための備蓄などを計画的に進めていくよう求めています。

災害弱者対策

中国・九州北部豪雨(2009年7月)=36人(21人)

山口県防府市では、242カ所でがけ崩れなどが発生。犠牲者14人のうち65歳以上が13人で、その中の7人は高齢者施設の入所者でした。施設は土砂災害警戒区域内にあったのに、市は避難勧告を出していませんでした。

身体の不自由な人たちのための施設を危険箇所に建設したこと、山側に擁護壁を設けるなどの対策を講じていなかったこと、防災マニュアルも未策定だったことなど、施設側の問題も露呈しました。

伝承・言い伝え

長野県南木曽町土石流災害(2014年7月)=1人(1人)

南木曽町では何度も土石流(1904、1953、65、66年)が起き、言い伝えや記録の伝承がなされ、住民たちの防災意識は高かったといえます。それでも防ぎきれなかったのは必ずしも言い伝え通りとは限らず、前兆現象を文字や言葉で理解しているつもりでも実際に起きると、異変に気づきながらも動けなかったのかもしれません。

繰り返される災害

広島土砂災害(2014年8月)=77人(77人)

2014年8月広島土砂災害にて被害を受けた家屋

広島では、1999年6月にも豪雨災害があり、これがきっかけで土砂災害防止法が2001年に制定。全国の自治体にハザードマップの作成や住民への周知などを義務づけられ、現地調査した社団法人「土木学会」は警告を発しました。にもかかわらず2014年の発災当時、ハザードマップは完成しておらず、砂防堰堤などの防災施設も未整備でした。

平成最悪の豪雨災害

西日本豪雨(2018年7月)=263人(119人)

2018年7月西日本豪雨で捜索救助を行う隊員と救助犬

大雨特別警報が11府県に出されるなど土砂災害が広範囲で同時多発的に起きた平成最悪の豪雨災害です。上水道や通信などのライフラインの被害、交通障害も広域で発生。切迫感が伝わらずに逃げ遅れた人が多かったことから気象庁と都道府県は19年5月から土砂災害警戒情報を出しています。

土砂災害から身を守る行動

とにかく早く兆候に気づいて避難することに尽きます。そのために欠かせないのが防災情報です。

気象防災∙気象警報、注意報早期、注意情報(警報級の可能性)、大雨危険度キキクル(危険度分布)、土砂/浸水/洪水雨雲の動き、今後の雨気象情報、台風情報、指定河川洪水予報、土砂災害警戒情報、竜巻注意情報、熱中症警戒アラート等、今後の雪
地震・津波∙津波警報・予報、地震情報、推計震度分布図、長周期地震動に関する観測情報、南海トラフ地震関連情報、北海道・三陸沖後発地震注意情報、震央分布
火山噴火速報・警報・予報、降灰予報、火山ガス予報
海洋海上警報・予報、海上分布予報、波浪実況・予報図、潮位観測情報、波浪観測情報
参照:気象庁|防災情報

警戒情報を注視する

「土砂災害警戒情報」は、2018年の西日本豪雨を契機に導入されました。

生命に危険が及ぶほどの土砂災害が発生してもおかしくないという基準を設け、2時間先までにその基準に到達すると予測されたときに、気象庁と都道府県が共同で出す情報です。対象となる市町村長の避難指示の発令判断や住民の自主避難がスムーズにできるよう、市町村を特定して警戒を呼びかけます。

避難情報・図解

警戒レベル5~1のうち避難すべきは3と4で、いずれも土砂災害警戒区域や浸水想定区域など「危険な場所」にいる人を対象にしています。

レベル5:既に災害が発生し「命を守る最善の行動」を求めます
レベル4:全員避難。市町村が出す避難指示
レベル3:移動に時間を要する高齢者は避難。その他の人も準備を
レベル2:ハザードマップなどで避難先、避難方法を確認
レベル1:最新情報に注意

避難を判断するうえで役に立つのが、気象庁の「キキクル」(危険度分布)で、ホームページで公開されています。

ただ、災害時は不測の事態が起きます。警戒情報が発令されなかったり、発令されても聞こえなかったり、真夜中だったり。そのため状況に応じた備え、対応をしなくてはなりません。

【関連記事】避難情報とは?警戒レベルの概要と実際の避難につなげるポイントを解説

シチュエーション別土砂災害から身を守る対策

最後に、平時から災害発生時まで、シチュエーション別に想定すべき状況や土砂災害から身を守る行動についてまとめました。万が一の事態に備え、確認しておきましょう。

平時の備え

  • どのような防災情報があるかを知り、自宅の立地状況も含め地域の危険箇所や避難経路、避難場所を洪水などの危険性も合わせて確認
  • 火山噴火時と豪雨時で危険箇所が変わることがあるため内容に応じたハザードマップをチェック
  • タイムライン(事前避難行動計画)を作成するなど、いつ避難し、どのような行動をすればいいのかを決める

豪雨のとき

  • 大雨情報などが発表される前に土砂災害が起きるケースがある
  • 降り方が変わったら災害・避難情報を参考に自身の判断で早めに避難
  • 川に近い木造家屋は土石流によって2階ごとのみ込まれる恐れがあり、垂直避難ではなく(警戒区域外への)水平避難をすべき

2014年の広島土砂災害では、避難路を確保できず、土砂や落雷に巻き込まれる恐れもあり自治会役員らが携帯電話などで連絡を取り合い、指定された避難場所に行かないよう判断。「自宅2階への垂直避難」を呼びかけたことで救われた命もありました。

地震のとき

  • 地響きなどいつもと違う現象を感じたらすぐに安全なところに避難

東日本大震災では、ハザードマップで安全とされていたところも被災したことからハザードマップを基に、より安全な場所に避難をすることです

火山噴火のとき

  • 火砕流は時速100kmを超えることを念頭に置く
  • 火山灰が降り積もると1時間雨量が10㍉でも土石流の危険がある
  • 火山に雪が積もっている時には火山泥流に注意

避難する余裕がないとき

  • 自宅2階や1階の山やがけとは反対側の部屋などに布団類をかぶって移動

布団が土砂と身体の間に空間を作り守られます

造成地に居住

  • 宅地の安全対策が取られているかを確認
  • 危険性を少なくするための構造物の設置、土砂堰堤などの対策を国や都道府県に実施してもらう

高齢者や障害者ら災害弱者

  • 地域の防災リーダーや市区町村の防災担当者に事前に対応を相談

住民の半数が高齢者という愛媛県新居浜市立川地区では、常に自治会の民生委員が高齢者宅の状況を把握し、行政と連携して早期避難を実施。避難場所も温泉施設を使うなど「楽しい避難」を心がけるなど住民による土砂災害の理解と避難の取り組みを行っています。

【参考資料】
釜井俊孝「宅地崩壊 なぜ都市で土砂災害が起きるのか」NHK出版新書
池谷浩「土砂災害から命を守る」五月書房
砂防・地すべり技術センター 砂防技術総合研究所「土砂災害の実態」
社団法人土木学会「平成26年8月広島豪雨災害調査報告書」

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WRITER

ライター:
大久保 資宏(毎日新聞記者)

毎日新聞社では主に社会部や報道部で事件や災害、調査報道を担当。雲仙・普賢岳災害(1990~95年)と阪神大震災(1995年)の発生時は記者、東日本大震災(2011年)は前線本部デスク、熊本地震(2016年)は支局長として、それぞれ現地で取材した。

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