2023.02.20
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【トルコ・シリア地震】最も必要な「テント」を最速で被災地へ!
ニーズに応えて、いち早く。──そのためにチームが全力を投じて調整を行っていた民生用(個人用)テントの一部である53張が、2月16日、アドゥヤマンの村に建てられました。
調査チームが初めてアドゥヤマンの町に入ったのは2月11日。当時、既に被災地の多くに国際支援が入りつつあった中、甚大な被害がありながらも支援の手が行き届いていないとの情報が散見されたアドゥヤマン。先遣隊が見たのは言葉を失うほどの惨状でした。
チームの一員である北川看護師は「ニーズを確認するため市内を回ったが、どこも倒壊した建物だらけで、その前には行方不明の家族や友人を待つ人たちばかり。病院も被災し、崩壊を免れた施設も損傷が激しくほぼ使えない状態。“医療者は足りているが、それは運ばれてくる人のほとんどが既に死亡しているから” と言われたほど」と当時の惨状を振り返ります。
これまでハタイやガジアンテプで支援してきたチームが驚くほどに、アドゥヤマンの気温は低く、「昨晩は−7℃だった」と語るのは1人の被災者。大勢の人々が家を失い途方に暮れる中で、少しでも風が避けられて、安心して家族で眠れるテントのニーズが病院をはじめ各所で叫ばれていました。
いち早くニーズに応えようとするも、国内市場でテントを大量に購入することは困難だったため、私たちは姉妹団体のアジアパシフィックアライアンス (A-PAD) と協力して台湾で110張のテントを確保。週末も職員総出で梱包してくれた台湾企業や、輸送費を負担してくれたトルコ航空、必要な場所に即座に届くよう取り計らってくれたトルコの災害対策省庁、また積み込みや設営をサポートしてくれたトルコ軍など、様々な人々のあたたかい想いが紡ぎ合わさり、考えうる最速のルートで被災地アドゥヤマンまでテントを輸送することができました。
輸送調整に携わったスタッフの矢加部は「私たちは何度も倒壊現場を見るが、暖房の聞いた室内で見るのと、実際に被災者と同じ空気を吸って見るのとではまるで違う。昨晩はこの街で一泊したが、ホテルでも寒さで夜は眠れなかった。身に染みるこの寒さの中でテント生活を強いられている人、さらにそのテントにアクセスすらできない人のことを思うと心が痛む。限られた数ではあるが、未だ届いていない村にテントを届けれたので、これが少しでも役に立てば」と語ります。
北川看護師は「何か力になれることがしたいと思っていたが、自分にできることはあまりにも限られていて……今日こうしてテントが届いて村の人に使ってもらえてよかった」と涙を浮かべました。
空飛ぶ捜索医療団は引き続き、現地に必要な支援を届け続けます。
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