2020.10.05

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【ARROWSジャーナル #2】災害発生時、あなたは愛犬と一緒に避難できますか?

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ペットと同行避難・ペット用持ち出し袋など、言葉では耳にする機会がありますが・・・。
情報がたくさん出ている中、さて実際はどういうことなんだろう?と思われている方も多いと思います。また自宅に危険が迫っている時(台風や豪雨など予測できる場合)避難するタイミングや持っていくもの、人だけの避難でも慌ててしまうこともあることでしょう。ましてや愛犬を連れて行っていいものかどうかも心配ですね。最小限の準備をするためのお話を、ピースウィンズ・ジャパンの災害救助犬のハンドラーであり空飛ぶ捜索医療団ARROWS隊員でもある筆者が経験を交えてお伝えします。
 
●ペットの「同行避難」と「同伴避難」とは?
 環境省は、災害発生時・災害が起こりそうで避難が必要な時、ペットと同行避難することを推奨しています。
 
ペットと同行避難て?同伴避難とは違うの?
似ている言葉ですが、実際は違います。

・ペット同行避難
⇒ペットと一緒に避難してください。
⇒避難所内では同じ室内に入れるとは限りません。
⇒ペットは外に。駐輪所など屋根だけがあるところに係留や、ケージなどで体育館の外などにいることが多いです。
 
・ペット同伴避難
⇒ペットと一緒に避難してください。
⇒避難所内で飼い主と一緒に室内に居ることができます。但し、クレートやケージなどに入れておく必要があります。
 
ペットの同行避難か同伴避難か?これは、各避難所によって対応が違います。みなさんが避難する最寄りの避難所に事前に確認をしておく必要があります。またクレートやケージも必要となります。愛犬はクレートに入ることに慣れているでしょうか?普段からトレーニングしておくことが必要です。クレートを持って避難するための最低限の荷物を持って、愛犬をリードで連れて歩いて避難所に行くことができるでしょうか?車で行くことが出来る場所でしょうか?避難所までの移動手段や移動経路などの確認も必要となります。


「同行避難」の避難所にいるペット

 
●ペット用品何を持っていく?
以下は、最小限のものです。
 
・クレートまたはケージ、小型犬であればキャリーバッグなど
ハードでなくていいですが、犬が入り慣れていて落ち着ける場所であるもの。普段からクレートに入り、落ち着いていられるトレーニングが必要ですね。
・最低3日分のフード
最初の3日目までが様々な支援が届かないことがあります。普段食べているものを用意しましょう。手作り食を上げている場合、緊急時にドライフードも食べられるようにしておくことが大事です。特に療法食を食べている子は、支援で手に入らないこともあるのでしっかり用意しましょう。避難中(最初)は、人も非常食やパン・おにぎりなどが配られます。
・常用している薬
・登録鑑札と狂犬病注射済票、ワクチン証明書
ワクチン証明書は写メでもいいのであると良いです。
・迷子札、マイクロチップ
ペットが災害に驚いて逃げ出してしまった場合のために、連絡先などの情報を記載して日頃から装着しておきましょう。
・水
水は避難所でもすぐに配布されるので、大量に持っていく必要はありません。重さで逃げられないことにもつながるので、持てる範囲で良いかと思います。


登録鑑札と狂犬病注射済票を首輪につけている、譲渡センターで里親募集中のワンコ

 

●自宅にペットを残していくリスク
すぐに帰れるからとペットを自宅に置き去りにはしないようにしてください。災害は想定外に被害が大きくなることもあります。残してきたペットをあとから迎えに行く際に、二次災害に遭う可能性もあります。それを避けるためにも最初から一緒に避難してください。
そして、避難するタイミングはペットを連れていると荷物も多く、浸水した場合抱きかかえる必要もあります。一人で避難するよりも時間がかかると思ってください。地域が高齢者避難準備勧告が出た時点で、避難を始めましょう。たとえその避難が空振りになったとしても、避難訓練だと思って本気で準備してください。また、平時に一度避難所まで荷物を持ってペットを連れて避難する練習を行っておくと良いでしょう。場所の確認にもなります。その際にペットをどこに置いておくことができるかも確認しましょう。


平時にペットと一緒に避難訓練をしてみましょう!

  
●命を守るために
ペットも含めて家族みんなが無事であることが大切です。身の危険を感じたら命を守る行動を早めにとりましょう。
 
「いざというとき助かる命を助けたい!」「ケガをしたペットの応急処置法を知りたい」などの講習会、『ペットセーバープログラム』を広島市・岡山市で開催します。ペットの応急手当や災害時の話など、これまで数々の災害現場に救助犬ともに出動しペット支援活動も行ってきた、筆者の大西純子が講師を務めます。お申込みは10月20日まで。詳しくはこちらをご覧の上、お近くの方はぜひご参加ください。
⇒ https://peace-wanko.jp/news/5977

文:大西純子
ピースウィンズ・ジャパンレスキューチーム災害救助犬ハンドラー、一般社団法人日本防災教育訓練センター認定ペットセーバーインストラクター、空飛ぶ捜索医療団ARROWS隊員、ピースワンコPRODOGスクール講師

<おまけ>空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”豆知識

空飛ぶ捜索医療団には現在、6頭の災害救助犬が一緒に働いています!


左からルーク、ゼルダ、ハルク


夢之丞

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