2022.03.08
- 活動報告
【パラオ緊急支援】「コロナ禍における離島での巡回診療」活動報告
私たちのチームは、バベルダオブ島を含む離島での巡回診療を開始しました。
340以上の島から成り立つパラオでは、中心地コロールに位置し、国で唯一の国立病院(ベラウ国立病院)へのアクセスが乏しく、医療サービスが受けにくい住民がいる状況です。PWJはパラオ国内の新型コロナウイルス拡大以前から、検診船を用いた離島への巡回検診・診療と生活習慣病の予防体制の強化を目的とした事業を実施しています。
今回我々のチームはコロナの緊急支援を目的としてパラオに入りましたが、コロナ感染拡大で受診が滞ることによる慢性疾患(がん・糖尿病・循環器疾患など)の悪化にも目を向けています。
元々行っていた国立病院の医師による巡回診療が感染拡大後は中止となったことで、国立病院へのアクセスが乏しい住民は特に医療サービスが受けにくくなっており、コロナの検査も行き渡っていない現状があります。それに対し、我々のチームは病院やコミュニティヘルスセンターと協力してバベルダオブ島を含む離島への巡回診療を開始しました。
巡回診療では、コロナの抗原検査に加え、高血圧や糖尿病等の生活習慣病患者の診療・生活指導を行います。私は看護師として医師の診察補助や、生活指導、抗原検査を実施しています。
受診に来る患者さんとコミュニケーションをとる中で、「コロナ感染拡大後、診療の予約は全てキャンセルされてしまった。日本からはるばる来てくれて、本当に助かった。」といった感想をいただくこともあり、コロナ禍だからこそ一般診療を行うことの意義を感じています。
地元の方々との交流が難しいコロナ禍でのパラオ滞在において、今回の巡回診療は自分自身が地元の方々と関わる貴重な機会にもなっています。現地に合った生活改善方法を提案出来るよう、地域の方々や地元スタッフとの関わりの中で私自身がパラオの生活習慣について少しずつ学びながら、生活指導を行っています。
![](https://arrows-peace-winds-org.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2022/03/26183119/iOS-%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F-23-1-1024x768.jpg)
同時に、国立病院ではPWJがチャーター便で届けたPCR機器の運用を開始しています。PCR検査には熟練の知識・技術が求められるため、PCR検査の経験が豊富なPWJの坂田医師を中心に、現地スタッフとともに取り組んでいます。
また、コロナ病棟では何人かの患者が重症化しており、重症患者への診療支援も継続しています。
パラオでのコロナ感染拡大を受けて開始したyahooネット募金では、既に400人以上の方からご支援いただきました。日本国内も大変な状況にも関わらず多くの方に応援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
私たちが微力でも現地の方々に貢献できるよう、引き続き活動を続けていきますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
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