2023.06.30

  • 活動報告

【ARROWS医療支援の原点】「平成最悪の水害」と呼ばれる西日本豪雨から5年

2018年7月に発生した西日本豪雨(平成30年7月豪雨)から5年を迎えます。
活発な梅雨前線と台風の影響により48時間に及ぶ大雨が続き、広島市や岐阜県高山市など124地点で観測史上最多の雨量を更新。この豪雨により、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える甚大な災害となりました。空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”を運営するピースウィンズは当時、病院でのレスキュー活動、診療所運営、避難所運営支援、物資支援などを行いました。

今回、私たちの西日本支援を振り返り、新たに動画を作りました。是非、ご覧ください。


【ARROWS災害医療の原点】「平成最悪の水害」西日本豪雨から5年

 

それまでは、レスキュー活動、物資支援、避難所支援などが主だったピースウィンズの災害支援ですが
今災害で始めて医療支援を実施、空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”の原点とも言えます。
浸水で孤立、電気を失った病院からの患者搬送や、避難所となった園小学校でのトレーラー診療を通して
より多くの人を助けるにはどのような装備が必要か、どれくらいの人材が必要かなどを実体験として学びました。

●西日本豪雨発生_当時の主な支援内容

【病院でのレスキュー活動】
豪雨により浸水してしまった岡山県倉敷市の「まび記念病院」では電気・水道が使えず、病院自体が機能しませんでした。空飛ぶ捜索医療団はヘリコプターなどを用いて、計19名の患者を岡山大学病院と岡山赤十字病院に搬送しました。

【医療面でのサポート】岡山県真備町の薗小学校に診療用のトレーラーを設置し、被災者の方々の診療を行いました。診療は日本赤十字社や災害人道医療支援会(HuMA)、学校や市役所などと調整しながら実施されました。

【避難所運営サポート】
倉敷市真備町の薗小学校避難所にスタッフを派遣し、運営をサポートしました。避難者の方々のプライベート空間の確保や炊き出し、イベントの開催など様々な活動を通じて被災者の方々が快適に過ごすことのできるよう、支援を実施しました。

【避難所への物資支援】緊急災害対応アライアンス「SEMA」という、国内での自然災害の際に企業とNPOが連携する活動や、空飛ぶ捜索医療団独自の支援を通じて、広島県呉市・三原市・坂町、岡山県倉敷市・総社市、愛媛県上島町にて支援物資を配布しました。

【ペットの一時預かり】ペット同伴禁止の避難所あるいは、昼間にペットを預ける必要があるオーナーのために、一時預かりをおこないました。岡山県獣医師会および関係団体と協力し、真備町にある「真備総合公園」にて活動を実施しました。

支援活動を通して私たちは、災害時に何もない場所にテントを設営し、診療をおこなう野外病院(フィールドホスピタル)事業をスタート。また、現場と病院を繋ぐ中間施設となる災害対応医療船や、ヘリコプターも整え、統合的な災害支援を今後も続けて参ります。

フィールドホスピタル設営訓練の様子はこちらから

 

【西日本豪雨被災者支援 過去の記事は以下をクリックしてご覧いただけます】

■被災から4年、駄菓子屋でつくる地域の居場所

■被災から4年、地域の「つながり」を取り戻すために

■3年活動報告書を公開しました

空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”は、今後も過去の災害支援活動をふり返り、被災者の方々に寄り添った支援をおこなうことができるよう、平時、災害時の活動に取り組んでいきます。
引き続きあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

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